普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

ピュアな心を失った斜め世界

もう40歳を超えていながら、感性がこじれていると感じることは往々にしてある。しかもこの年齢になるとここからピュアな心を取り戻すのは無理だ。それは別によい。これはこれで楽しくやっていけている。

ただ、あまりにこじらせており、なおかつその期間が長くなってくると、こじれてない状態ってどんな感じだったかわからなくなってくるのだ。物事に対して斜に構えるのがデフォルトになってくるともはや世界は斜めであるのが普通になっており、まっすぐである状態のものを見たときに斜めに見えてしまうという現象が起こる。

以前、職場の同じシマで働いていた委員長タイプの女性(すでに異動済み)が結婚した際、その報告をしてくれたのだけど、その届出の年月日が2022年の2月22日だった。しかも深夜の2時22分。

いや、違うの。違うのよ。そういうひともいる。そういうの好きなひとがいるのは理解できる。けっこうなことじゃないの、おめでたいじゃないの。キリ番ゲットー!っつってね、「おめでとうございます!」ってそりゃ言いましたよ、僕だって善良おじでいたいですから。

しかし、その報告を受けた瞬間、内心では「うわ〜…」と思ってしまったのだ。やってんなーという気持ちがあらゆる感情を押し除けて脳に超高速で躍り出てきたときには自分でも感心するほどこじれまくっているなと改めて自覚した。

ピュアな気持ちを持っているからこそ何のてらいもなくキリ番で婚姻届を提出できるのだろうなと思うわけだけれど、こじらせ側からすればむしろそこに何か血の誓いでもあるんじゃないかと勘繰ってしまうのだ。それが前述の真っ直ぐの世界が斜めに見える現象でもある。

家だったらボールを置くまで斜めになっていることが気づかないくらいに欠陥住宅なのに平気な顔して住んでいた人間がフラットなお宅にお邪魔して「曲がってない?」と言い放つようなものだ。曲がっているのはお前さんちの床だよ。理解できないならボール持ち歩いとけって話である。

もうこんなよ

ただまあ、ひとは多かれ少なかれこじらせているものではあると思うので、それが人間関係を悪化させる火種になるとかでなければ世界は大いにこじらせていれば良いと思う所存です。このケースも炎上は避けたことですし。

ちなみに、上司は報告を受けた際「え〜、そういうことしちゃうタイプなんだ〜」と聞こえるか聞こえないかくらいのボリュームで心の声が漏れていた。ちょいと、なんかのハラスメント認定されるぞ、と思ったが泥舟には乗りたくないので関与は避けた。まあ基本的な感想の方向性は僕と一緒なので気は合っているんだけれども。

もうひとつちなんでおくと、この話を妻にした際「え、ない」と一刀両断だった。夫婦仲良く忍者屋敷みたいな床の家でよろしくやっていこうと思います。🥷