普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

寝坊とカレー

起きたら6時47分だった。通勤時、家を出る時間である。誰もがそうであるように、「今日、休んじまうか」というフレーズが脳内に雷鳴の如くほとばしった。

だめだ、今日は休めない。仕事で今抱えている面倒ごとのためにひとが出向いてくれて打ち合わせするのだった。解決に向けて動いてくれているひとに不義理はできない。行くしかない…か。

基本的に早めに職場につくように家を出ているので、この時点で家をすぐに出ればおそらく間に合う。しかしそれはできない。

シャワーあびてえっす。

折に触れて繰り返しているが、前日に入浴をしていたとしても、夜を超えたおじさんは公衆衛生上大変に好ましくない存在となる。下手したら12時間以上前に入浴し、挙句汗もかいて脂を発生させる睡眠というアクティビティを経ている。ひとに会うというのだから余計にシャワーの必要性が増すというものだろう。

あれこれ理屈を並べてはみたものの、ま、いいや。遅れちゃったら遅れちゃったで。ふだん時差勤務で早く出勤してはいるけど、勝手に早く行っているだけみたいなところあるし、遅れたらその分後ろ倒しで働けばいいかと脅威の開き直り力でシャワーの儀を決行した。

結果、なんだかんだで普段の始業時間には間に合った。特別に焦ったり急いだりしたわけではなかったのだけど、間に合ったので結果オーライである。

ただ、きちんと早起きして準備している普段はなんなのだろうという腑に落ちなさはある。昨日は結局15分くらい遅く家を出ただけだったし。なんだろう、いつもの朝の時間は3分ずつくらい未来へタイムトラベルでもしていたんだろうか。気づいてないだけで3分おきに寝落ちしているのかもしれない。朝の寝落ちは未来へのワープだものな。

定刻には始業し、お昼近くに打ち合わせ。個人でもうどうにもならないなと思っていたことがやっと動かすことができることになりそうな実りある打ち合わせとなった。が、今日結局僕がどうにかしなければいけない空気になっていた。ぐぬぬ

お昼は少し前にたまたま通りかかって気になっていたカレー屋とした。

知っているビジュアル

お皿にあるように白洋亭というお店なのだけど、写真を見てピンとくるひとがいるはずだ。日乃屋カレーじゃん!と。もしくは上等カレーでも可。でも僕は日乃屋カレーの方が馴染み深いので店の外の写真を見たときから日乃屋カレーとの関係性がないわけがないと睨んでいた。その検証も兼ねての来店である。

今の時代調べればネットですぐ答えに辿り着くことはできるのだろうけど、あえて調べずに訪れた。そのほうが「やっぱりね」への道のりを楽しめると思ったのだ。答えがわかっている状態で答え合わせのごとくこの点とこの点が同じだからね、というのも味気ない。発想が昭和かもしれない。今の若い衆はもっとタイパよくクレバーに行きとるんでしょうな。

食べてみた感想としては、言うほど同じでもないか、であった。でも家族ではないにしてもいとこくらいの距離感ではあるし、そのいとこと同じ学校に通っているくらいには近いところにはいるもの同士である。そりゃ他人だけど無関係ってことはないでしょうレベル。

参考までに日乃屋カレー

参考として日乃屋カレーの写真も出してみたけど、やっぱり言うほど似ていないような気もしてきた。でもなんというか、”やり口”に同じものを感じるんだよな。あとカツは両者ともに独特の薄さという共通項がある。

ぶつくさ言ってみたところで自分の舌ではどうしても確証を持てなかったのでインターネッツに頼ったところ、ザ・王道の大阪発祥の甘辛カレーですねという意外な着地点となった。え、そうなの。

大阪のカレー事情に明るくないけど、白の楕円のお皿に盛り付けて、薄いカツを乗せて、ちょっと少なめの甘辛ルーをかけるというスタイルが確立されているのか。知らなんだ。このスタイル、日乃屋カレーくらいしか知らなかったからな。やり口が同じとか言ってすまんだ、白洋亭よ。

これは家系ラーメンをよく知らないまま地方で出会ったとして、まったく違うお店で修行していた2店を同系列といぶかしむようなものだろうか。味は似ているし丼も青いし、具のチョイスも同じ。よく知らなかったらそれくらい思ってしまいそうだ。

両者の関係性をごりごりに疑ってかかったのにふわっとしたところに辿り着いてしまってお恥ずかしい限り。僕が知らないだけで土地のカレーってラーメンばりにあるのだろうか。教えて、カレー博士🍛