普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

平和にお好み焼きを食べたい派です

金曜の透析を土曜にずらし、定年派遣おじさんおすすめのお好み焼き屋に行ってきた。もともと広島にあるお店が東京に進出してきたものとのことで、おじさんが広島勤務時代にいく行っていたお店とのこと。東京の店舗はまだ未踏とのことながらも広島時代に行きつけだったのであればそのレベルは担保されたものであると言えるだろう。

仕事を片付けお店のある新橋に移動。金曜の夜の新橋はだいぶ賑わっていた。

やる気マンマン

コロナ第8波がという話もあるけれど、いつまでも前と同じように篭りきりでいるのはなんだか違うような気がする。注意はしつつも楽しめるところは楽しむべきだと思う。街からもそんな雰囲気の活気を感じた。ここ2年と少しで一部のひと以外では公衆衛生に対する意識は底上げされた…はず。ま、僕は持病のこともあるのでとにかく人一倍気を付けるだけだ。

この日は昔のこともあるからなのか、おじさんが大張り切りお好み焼きをオーダーするつもりだったようで、「1人1枚でしょう!」と景気の良いことを言っていたのだけど、全体的に参加者の年齢層が高めだったので秒で止められていた。結果、1枚の半分くらい食べたところで「お腹も胸もいっぱいだわ」と箸を止めるおじさん。その無軌道さ、良いと思います。

麺入りのやつ

この麺入りのやつ、”広島焼き”というと広島のひとに怒られるというが、お好み焼きといえば麺入りという認識は僕の中ではないので区別のために独自の名前は欲しい。明石焼きとたこ焼きは似て非なる食べ物なのできちんと棲み分けがされている。それと同じではないのかなと思ってしまうけど、当人たちからすると許し難い何かがそこにあるのかもしれない。怒らなそうな広島人にこっそり聞けたらその旨ご報告します。

お好み焼きの他、基本的に広島で食べられているものを提供しているようで、”がんす”というものがあるのを発見した。”がんす”という響きからどういった食べ物か想像もできなかったので店員さんに聞いてみたところ「豚肉です」との回答。「ほう、薄いとんかつ的なものか」と思い、とんかつとどう違うのか気になりオーダーをした。

こんがりあがっちゃってるやつ

ビッグカツ(駄菓子)的な見た目である。まあ外すことはないだろうと食べてみたところ、動物的な香りは一切しない。というかこれ練り物だろう、絶対。でも僕の味覚がおかしいだけでこういう豚もあるのでは…と参加メンバーにも食べてもらったところ、満場一致で魚のすり身に票が投じられた。店員さんに聞き直すのも気まずさを感じたので風情も何もないけどインターネッツに頼ることに。

がんすとは、主に広島県で食されている魚肉練り製品。魚カツの一種である。

と、Wikipediaからのマジレスが。

魚も魚、むしろ練り物やんけ。じゃあ何をもって「豚です」と言ったのだろう。私見?危うく変わった味の豚肉初体験となるところだったわ。せめて断言しないで「豚…だと思いますけどねえ…」くらいにしといてほしかった。

その後も広島に関係ありそうでないものをオーダーし続けてはいたが、僕は早々にリタイアしひたすら酒をあおっていた。そして退店時間。おじさんから信じられない言葉が

「俺の知ってるお好み焼き屋じゃないような気がするな」

と。

え、まじですか。厳密にはお店は一緒だったようなのだけど、思い出の中の店とはだいぶ乖離があったらしい。要は満足できなかったようなのだ。うーん、そればかりは僕にはなんとも。ただ、そういうことならばとここで終われないと次のお店におじさんを誘いまったりタイム延長ということとなり、金曜夜らしくて非常によき塩梅であった。

この日は酒量もそこそこできちんと内容を家に持って帰ることができたので上々の1日だった。またこんなが近いうちにあると良いなとこっそりひっそり期待しよう。