普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

浅草はよい。良いけど夜の浅草のほうがもっと良いでしょう。

今週のお題「好きな街」とのことで、まず真っ先に思い浮かぶのは高円寺、阿佐ヶ谷エリアなのだけど、前回の記事でディスりに近い愛情表現をしてしまったため別の街への思いをしたためようと思う。それでははりきって参ります!

 

好きな街、それは浅草。頻繁に訪れることはないけれど、来るたびに思い出となる街。

上京前から存在はもちろん知っている程の知名度でありながら、斜に構えた20代前半は「有名な観光地」というだけでお出かけ先から除外していた。

20代中盤くらいになり、知りもしないのに浅草のことをどうこう言うのもよくないじゃないかと当時一緒のマンションに住んでいた友人たちと訪れたのが最初の訪問。大方の予想通りきっちり浅草という街を楽しみ、ええところやないけと僕と浅草の関係は正常なものとなった。

その後、何度か訪れているが、だいたいが酒がらみである。あるときはホッピー通りで飲みたいと昼から赴きしつこく飲んだ。ちなみにそのとき屋台のアイスキャンディー売りからアイスを買った女子(後の妻)と友人は深刻な胃腸炎に苛まれた。うーん、メモリアル。

その後も浅草といえば、観光+飲みは必ず1セット。むしろ比重としては飲みのほうがウエイトを占めていく。

そして最終的に直近の出来事としては飲みに行く予定として場所がたまたま浅草だったというところまできている。それが昨日の話だ。出社をしており、透析もないうえに次の日は休み。飲みに行かない理由がない。当初は職場近くの焼肉屋を所望していたのだけど、メンバーのたっての希望で浅草のお好み焼き屋が推されたため、せっかくなのでと乗ることにした。

仕事を終え、久しぶりに訪れる浅草。近くでスカイツリーを見るのも久々で、見るとやはりそれなりにテンションがあがる。

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すこし早く着き過ぎたので適当な焼き鳥屋で時間を潰したりするだけでなんかもう風情みたいなことになってくるのも浅草のなせる技かもしれない。

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ほどよく時間調整し、お好み焼き屋にイン。メンバーが推すお店だけあってお好み焼きがきちんとおいしい。そして、当然もんじゃも食べる。もちろんおいしい。でも食べるたびにきったねー食べ物だなと思いながらおいしいと思えているという二律背反的食べ物であることに関心する。

ほら、きったいないでしょ。

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でもおいしいんですよねー。

ひととおりお腹もふくれ、お酒にも満足したところでお店を出ることになるのだけど、メンバーのひとりからせっかくなので浅草寺へ参拝していきますかとの提案があった。断る理由もないのでずるりと応諾し、夜の参道をのそのそと向かった。この時間が良かったりする。

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このひと気のない仲見世通りなんかとてもよい。今はどうなのかわからないけれど、コロナ前なんかは雷門から浅草寺に向かって気円斬放ったら新記録出ちゃいそうだったものな。

建物もライトアップされていて神秘的で荘厳な雰囲気が醸し出されているのがよい。

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きちんと参拝し、おみくじを引いておじさん数人でキャッキャとやっている姿はまあある意味微笑ましくもあり、見るに堪え難いものであったりするのかもしれない。でも本人たちはそれなりに楽しんでいるのでもしどこかでそんな光景を見ることがあったら生暖かい気持ちと視線で見守っていただければ幸いです。

最近は夜の浅草に舞い降りて、観光のついでに飲むから飲んだついでに観光(というか観光地を散歩)にシフトしているのが味わい深い。一連のそういった行為からたどり着いたのが「ただ浅草が好き」、ではなく「夜の浅草が好き」ということになってきたかもしれない。

浅草って完全に観光地としてしかみてない部分はあるのだけど、少し歩けばひとの生活の気配というのはあたりまえのようにあるわけで、その境界というのが興味深いし、他の街と大きく異なるものであると思っている。そこが「好き」と言える部分なのだろう。

今後も浅草の新しい一面に気づいていくことで人生を豊かにしよう。