普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

へべれけインネイチャー

もっぱらインドアおじさんであるが、誘ってもらえさえすれば喜び勇んで野山の奥に駆けつける。5月5日のこどもの日もそのようなことで青梅?とかそのあたりの河原でのバーベキューに参加していた。

この河原、2年前にも来ていた場所だ。ハトヤからの弾丸旅行の帰りに立ち寄った。

そのときは車で訪れていたので家からの距離感をいまいち把握していなかったが、この日家から公共の交通機関を利用して訪れてみたところ、旅情を感じるほどに遠かった。

電車の乗車時間に比例して車窓から見える建物は低くなり、景色はひらけていく。そして白、灰色の人工物カラーから目が覚めるほどの青、緑のネイチャーカラーへと変わりゆくことにテンションがあがった。年に何度かは強烈な自然の緑をみておくものだなあと本気で思った。

バーベキューといったところで宿六丸出しで調理してもらったものを食べ、酒を飲み続けるという怠惰の限りを尽くすポジションをゆずらない。するとどうだろう。魔法にでもかけらたかのように時間が過ぎていくのだ。さっき13時だと思って次に時間を確認したら17時過ぎていた。ただ、12時から13時の間はとてもゆっくり時間が過ぎているような気がして余裕を見せた次の瞬間が17時なので相当に面食らう。飲み会の酔っ払いあるあるである。

時間旅行をしたかのようではあるが、会場が河原であったからにはその旅程に石投げが組み込まれることは必定。この日もやはり何かの業に抗うように対岸に向かって石を投げようとした。そのときである。

にゅっとなんかでてきた

何かいること自体は目視で確認できるが、それがなにかまでは確認できない絶妙な距離感。これ、ヤギかなんかなんでしょうかね。ていうか風光明媚な場所とはいえいちおう都内だというのに野生のヤギなんぞいるもんなんだろうか。でもあれは絶対に犬猫狸の類ではなかった。こちらがおろおろしていたらひょっこり消えて行ったけど。

罪のない(と思われる)獣も去り、石を投げることに遠慮はいらなくなった。対岸に存分に石を投げようじゃないかと全力投球を始めた。

そしたらまあ、あれですよ。全然届かねえんですわ。これは2年前に同じことを痛感していたはずなのになんかワンチャンレベルアップしてるんじゃないかな、なんてなんの鍛錬もしていないのに希望的観測によって投石の飛距離アップを期待していたわけなのだけど、当然のように対岸に石は届かなかった。なんなら2年前より飛距離は縮んでいた。獣の位置までなんて届く余地もなかったので獣の身を案じたことを恥じたい。

前述の通り13時から夕方くらいまでの記憶はふわっふわなのだけど、お酒とおいしいものはしっかりおなかにおさめていたというのはカメラロールを見返して確認できた。

お酒となんかでかい肉

GWとはいったものの、特に何もなく過ごしてしまっていたけれども、この1日があっただけで1ヶ月分くらい楽しんだんじゃないかなと思うので結果オーライってことで機嫌よくやってこうかと思います。