普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

泡沫ってそういえばうたかたとも読む

今週末、都知事選がある。今回の都知事選は過去一番の候補者数とのことで、それに比例してということなのか、泡沫候補と言われるひとも多いとのこと。それだけ何かしらの熱い志をもって立候補しているのかなと思わないでもないが、実際のところはどうなんだろうと思ってしまう。

供託金はたしか300万円だったか。その金額と効果をどうとるか、というところである。自分の主張が機材の揃った状態で撮影され、よほどのことがなければけっこう際どい内容でもテレビで放映される。決して安くはない金額ではありつつも、何かの活動の広告費と考えると意外とそんなに無茶苦茶な高額でもないのかなと思えてしまうのだ。

少し前にも政見放送でセクシーうっふんみたいな政見放送があって難解なフランス映画を見ているかのような気持ちにさせられたが、本人としては300万円かけてでも全東京都民に見て欲しい内容であったのだろう。クリエイティブとはああいうものだったりするのかもしれない。

泡沫候補と言われる方々の真意というのは謎でありつつも、ある種のエンタメ性をともなっているひとがいるというのは今回の候補者からも感じ取れる。その中のひとりにごとうてるき氏がいる。最初に知ったのはなんの選挙だったか忘れてしまったが、エキセントリックさで目をひき、一部界隈で話題となっていた。その後何かというと立候補しているようである。

今回も一部界隈ではやはり人気であるようだが、泡沫候補として有名になっているという逆転現象が起きているように思う。かつてのマック赤坂氏のような。なんだか最終的に芸人枠みたいなことになって別の角度から本人の主張を世の轟かせる日がきたりするかもしれない。それはそれでおもしろいので見てみたい。

ごとう氏だけでなく、AIだったりネットの人気者だったりとかそんなひとが平熱で立候補くるものだから、それが普通になりすぎてまともそうなことを言っているひとがかすんで見えてくる始末。これは僕が泡沫候補に気をとられすぎているからなのだろうけど。あとごとう氏推しってことではないですよ、念の為。

いずれにせよ、誰かには投票しなければならないわけなので、何かを変えられるひとを選んでいきたい所存。「どうせ」な気持ちで保守的な選択をしてしまいがちだけど、今こそ攻めの姿勢なのかなと思ってみたり。

投票率ってなんで上がらないんだろうなと思ったりするけど、お恥ずかしい話、僕が若かりし頃もまともに投票に行っていたかと言われるとあんまりなわけで、若年層に興味をもたれる候補者が大事なのかもしれないという観点からいうとエキセントリックな泡沫候補って意外と必要だったりするのかもなどと思ったりもする。

ところで、「泡沫」って「うたかた」とも読むわけでうたかた候補って読むと情緒あふれてよさが出るのでは。

突然ここが職場となる可能性があるってすごいことだな