普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

初めて出会ったその日からずっと思っていたことがある

怒られ覚悟で言うけど、アイアン・メイデンのThe Trooperのリフって果たして本当にかっこいいんだろうか。むしろダs…いや、ダメだ。それを言ったらメタルの歴史を否定することになってしまう。

キャッチーではあるし、中毒性があるのは間違いない。1度聴いたら忘れることはないほどにインパクトはある。そこは認めるところなのだけど、イントロのあのリフを耳にするたび、なんなら脳内で想像するだけで阿波踊りの映像が同時再生されるのだ。阿波踊り全然関係ないけど「えらいやっちゃ えらいやっちゃ」と合いの手込みで。

なので1度思い出すと脳内で繰り返し再生される。昨日もふと思い出し、頭の中でリフが流れ続けたため辛抱たまらずSpotifyでTrooperを再生した。「うむ、なんかちゃきちゃきしとるな」と思いながら曲を聴き終え、ふと思った。

これだけ有名曲だし、いろいろなひとにカヴァーされているんじゃないだろうか。

そう思いSpotifyで「Trooper Cover」で検索したらまんまとプレイリストが見つかった。便利だなー。ネットの海をじゃぶじゃぶ泳がなくても箱詰めされたものを差し出してくれるんだもの。Trooperだけが詰まったプレイリスト。35曲で2時間以上ある。その間ずっとTrooperしか流れないというおでんだったら鍋の中全部ちくわぶみたいな状況が構築されているのだ。

これね、お時間あったりSpotifyユーザーの方には是非聴いてもらいたい。

アイアン・メイデンといえば匂い立つほどに正統派のメタル、いや、ヘヴィメタルバンドである。カヴァーするバンドもメタルバンドばかりと思うのが自然であると思うが、これが違ったのだ。半分以上は同ジャンルからのチョイスであったが、他のジャンルによりカヴァーされているものが聞き応えがあった。

パンクっぽいバンドはまあわかる。弦楽でのカヴァーも想像はできた範囲(とてもよい)。電子音楽系が出てきて「おや?」と思ったところでラスティックまで出てきて膝を打った。ちなみにラスティックとはロカビリーを下地にケルトだのその他民族を混ぜ込んだようなジャンルだ。バンジョーとかが用いられる。

まったく思いもしなかったアレンジすぎて口元がを緩ませ、感心しながら曲を聴き終えた。もう10回くらいTrooperを聴き続けているのに完全に別腹で楽しめたと言える。ただまあ「なんでこのひとたちがアイアン・メイデンのカヴァーを…?」とは思ったけれども。

カヴァー、トリビュートアルバム自体けっこう好きで、思い切ったアレンジしているもののほうが好みだ。このプレイリストみたいに同じ曲をひたすら集めたものは同じ曲なだけにセンスの煌めきを感じ取りやすいかもしれない。

ちなみに、これまでに聴いてきたトリビュート(カヴァー)で一番すごいなと思ったのはJUDY AND MARYトリビュートのミドリによるミュージックファイターだ。”狂っている”としか表現のしようがないほどにぶっ飛んだアレンジで、幼少期にが聞いていたら絶対に泣くほどトラウマ植え付けられていたと思う。原曲好きなひとから怒られたりとかなかったのかな。癖になってその時期けっこうリピートしてたけど。

今回のTrooperカヴァー祭りプレイリストに気をよくしてHelloweenのカヴァープレイリストなんかも聞いているものの、Trooperほどの思い切ったアレンジがないのがちょっと寂しい。元曲が好きなものが多いので聞けると言うのはあるにはあるのだけど。でも、デスメタル系がカヴァーしているものに関してはHelloweenだと歌メロ大事なのにそこをデス声でいっちゃうのって意味あるのかなとは正直思った。楽器隊だけが楽しい。

Spotifyの新しい使い方をひとつ覚えたということでうきうきで書いちゃったけど、対象がめちゃくちゃ絞られる記事になってしまった。あとアイアン・メイデンファンのみなさん石とか投げんといてください。Wasted Yearsとかめちゃかっこいいと思ってます。

ちなみに、アイアン・メイデンとは拷問器具で棺桶のふたにこんなんがついたもの