普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

あれはね、ちょっと進むことができるエアロバイクだよ

一昨日の透析が終わり、寒風吹き荒ぶ中自転車にまたがり、えいやとこぎ出したところ、ガコンという衝撃とともにペダルが動かないことを確認した。

この感覚、知っておるぞ。チェーンが外れておるのじゃろう。ふぉっふぉっふぉ〜、そんなことでわしの帰宅を止められんぞ〜と、謎の仙人感を出し問題部分を確認したところ、なんか変な感じにがっつりチェーンがはさまってしまっており一気に真顔になった。

いけない、これは手に負えないやつだ。いちおう、と当該箇所を力づくでなんとかしようとあれこれいじってはみたが、まったく状況は改善されないばかりか、この日はめちゃくちゃ寒かったので冷えっ冷えに冷え切った金属を触り続けたことにより指先の感覚がなくなるというド悪化ぶり。指とれたか思った。

透析が終わるのは21時すぎなので自転車屋はやっていない。仕方ないのでひとまず自転車を押して帰宅することとする。家までの距離はまあまああるので全編徒歩は避けたい。そういった思いからキックボードの容量で片足で自転車にかけ乗ってその勢いで惰性で進むという方策をとってみたが、自転車ってこがないとこんなに進まないもんなんだなということに気付かされる結果に。疲れるばかりなので素直に手押しで道中乗り切ることとした。

これはフリー素材だけど、僕の自転車もチェーンこんなん。錆び錆び。そりゃはずれるわ。

途中、チェーンをいじったことによる手のよごれがどうしても我慢できずに夜の公園で手を洗ったりしたが、はたから見たら訳あり感すごかっただろう。僕がその光景を見かけたら触れてはいけないタイプのひとだと判断し、足早にその場を去る。

ふだんよりも疲れと時間をふんだんに蓄積しやっとの思いで帰宅。今日はとりあえずなんとかなったけど、翌日は出社しなければいけない。朝一番で歩きで駅まで行くのは絶対に避けたい。僕は歩くのが人一倍遅いので通常の自転車通勤の3倍くらいはみないといけなくなる。そんなに早起きしたくない。

ここで閃いた💡妻の自転車がある。妻は自転車に乗るようなこともないし、借りていけばよいじゃないか。よし、一見落着。今日は寝よう。

そして翌朝。妻チャリにまたがり駅へと颯爽とこぎだした。

そしたらもうべっこべこのべこですよ。出産、育児の関係で1年以上乗られていなかった自転車なので、空気が抜けきっていて、そこに空気が入っていたことすらな嘘つくなと咎めてしまいそうになるくらいにホイールのみの存在感を発揮していたのだ。空気ゼロのタイヤで走る自転車ってあんなに重いんですねという前日に引き続き自転車に関する得ないで良い知見がどんどん積み上げられていく。

これはもう自転車で通勤しているとは言えない。ちょっとずつ進むエアロバイクにまたがって徐々に駅に向かっているだけだ。正直歩いても大差ない、というかなんなら疲労が蓄積しない分歩いた方が良いのでは。

そのような逡巡もあったが、結局はちょい進みエアロバイクで駅に向かうこととした。ひとまず行きは我慢すれば帰りは駅付近の自転車屋で空気を入れることが可能だし、歩くよりはいくらかマシなのではという判断からである。

こうして進み出しではみたものの、先にお伝えしたとおりのべこべこっぷり。進まないこと進まないこと。ペダルくそ重い。音も明らかにホイールをアスファルトにごりごり擦り付ける音がしている。下手したらタイヤがイカレる可能性もあるなと選択を後悔した瞬間もあったが、進み出したらやり切るしかない。トレーニングだと思ってちょい進みエアロバイクをこぎ続けた。あれたぶん、警官に見られたら問答無用で止められて盗難確認される絵面だっただろうな。朝っぱらからなにやってんだと思われたに違いない。

こうしていらない苦労を経て駅に到着。レコードはふだんの通勤の1.5倍程度の経過時間だった。まあまあだな。もう2度と味わいたくないけど。

職場に到着し、前日夜からの一連の出来事を同じ島の姐さんに話したところ、「徹頭徹尾不審者だね」というありがたい言葉をいただいた。姐さん、僕もそう思います。

これで帰りに空気を入れにいったらタイヤが使い物にならなくて帰るときもまた一苦労とかだったらオチとしてはきれいなのだけど、空気をいれたらみるみるうちにタイヤがやる気をだして、帰りはめちゃくちゃ快適に自転車を利用できた。それどころか自転車の素晴らしさを再確認したとまで言える感動ぶりだった。

あとは自分の自転車を修理にもっていかなければいけないけどそれが大変すぎるのずるずると先延ばしにし来年とかになりそう。年がはじまったばかりでそんなわけないだろと思うじゃないですか。僕はやる男なんですよ🚴