普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

日記書くつもりが大化の改新から帰って来れなくなった

コロナ前まではこの世の地獄みたいな混雑ぶりの電車に乗って通勤していたが、コロナ以降、時差勤務などを利用して早めの時間帯に出社しているからなのか、リモートワークが少しは定着したからなのかあまり激混みの電車に乗ることは少ない。

昨日の出社時もそんな電車に乗っていたら、何かの拍子に大きめに電車が揺れた。すると僕の目の前の中年男性がよろけて倒れそうになったので、咄嗟に腕を出し支えそうになってしまった。

男性が倒れるのが心配だったとかそういうことではなく、最近子が歩き始めて酔っ払い顔負けの千鳥足で歩くものだから、常に倒れそうになる人間に神経を尖らせていたというのが理由である。よろけおじさんも知らないおじさんに腕とか掴まれたくなかっただろうから未遂で済んでよかった。

最寄駅で降車し職場へ向かう。その道すがらにマクドナルドがあり、朝マックを買おうかどうか逡巡していると、目の前を恰幅の良いメガネの男性…いや、言ってしまおう、有体に言うとチー牛を肉まん化したような人物がハンバーガーを頬張りながら歩いていた。

ハンバーガー×肥満(かつオタっぽい)という、あまりの神マッチングにこれほど素直に自分の気持ちをあらわすことがあるどうかというくらいにナチュラルに「眼福…!」と思うのであった。

これはオタクを下げるとか、肥満をどうこういう発言でなく、決定的瞬間を目撃できたと言う純粋な喜びであることはお伝えしておきたい。足元の定まらない酔っぱらいが頭にネクタイを巻き、寿司折りを片手によろついているのを目撃したらどうだろう。感涙ものではないだろうか。「噂には聞いていたけどこれが…!」となるだろう。それです。

寿司折とはお寿司の入ったこういうのを紐でぶらさげてる感じ

朝から良いものみたなーと仕事を開始。仕事中、頭の中に突然【大化の改新】というワードが駆け巡る。本当に仕事に一切関係ないワードなので純然たる脳汁垂れ案件だ。

大化の改新を頭の中から拭い去ることができず、関連ワードとして「蒸し殺す」というワードが脳内を占拠し始めた。大化の改新といえば645年の出来事。小学校だかそのころというはるか昔に習ったことをいまだに覚えているのは語呂合わせがあったからに他ならない。その語呂が「蒸し殺す」だったのだ。

6(む)4(し)こ(5)ろす、である。まあ語呂としてはわかる。地方のカーディーラーの電話番号の語呂合わせなんかよりよっぽどハマっている。

でもさ、「蒸し殺す」って言う?僕も人生そこそこの年数生きてきたけど、大化の改新以外で蒸し殺すって言葉聞いたことがないのだけど。そう思って調べたら一応言葉としては存在しているようだ。でも真っ先にミツバチが天敵を撃退するときに相手を蒸し殺すのだという情報がサジェストされた。語呂を考えたひとは養蜂関係のひとなのかもしれない。

個人的にずっと気になっていた殺人方法「蒸し殺し」気になっていたのは僕だけではないのだろう。そのあまりの言葉としての汎用性の低さからか、今では語呂が変更となっているとのことだ。

現在の語呂は「無事故(645)で世直し 大化の改新」らしい。でも無事故ってなあ…大化の改新って要はクーデターだし、蘇我氏はきっちり斬り殺されているようだしで無事故ってのはちょっと違うんじゃないだろうか。どの角度から見るかにもよるが。

この際自分で語呂を考えてしまえばよいのかもしれない。

「虫ゴムで安心! 大化の改新

とか。ちなみに虫ゴムとは自転車のタイヤの中にあるチューブで使われている空気を逆流させないためのパーツである。逆流を防ぐというところが最高にピースフルじゃないか。庶民の不満が噴出しなさそうだし。虫ゴムという単語を覚えるならシンプルに645という数字を覚えた方が脳の容量を食わなそうだけど。

普通に日記を書こうと思っていたのに大化の改新に寄り道したら帰って来れなくなってしまった。まあこのくらいの温度感で仕事をしているということでね、社会から蒸し殺されないようにうまいことやっていこうと思います🐛