この4月から職場は”出社してなんぼ”の方向性に舵を切った。コロナ的な事情としては落ち着いているので「好きに出社していいよ」はわかるのだけど、「在宅勤務すんな」の方向性ということである。週1以上在宅勤務するなら普段より偉いひとに、それ以上するならけっこう偉いひとに事前申請しないといけなくなった。
その方針が伝えられたとき、「それって原則在宅勤務NGというニュアンスで受け取ったらいいんですか？」と、かなりあけすけな質問をしてしまった。僕には在宅勤務が必要だ。我在宅する故に勤務ありだ。なんか言いたくなっちゃったけど意味は不明だ。というか家でできる仕事をわざわざ電車に揺られて家で作業できるPCを持ち歩いてオフィスで仕事をする意味がよくわからない。本当にいよいよお昼ご飯（外食）のために出勤している感出てきたな。
多分なのだけど、偉いひとたちは基本的に部下を管理するという名目で細々とした雑務などをこなすことはなく、PC作業などをしていないのだと思われる。あとはさまざまな折衝などがメインなのだろうから、とにかく実務という実務には関わらないのだろう。
そうなると家では当然することがない。下手をすると家族から疎まれすらするかもしれない。仕方ないので出社する。来てはみたもののみんな在宅で仕事しているものだからやはりぼっち。はっ！じゃあみんなを会社に来させればいいんじゃん！💡←ｲﾏｺｺ となるわけである。コロナ禍ではさすがに無理やり出社させて何かあったら責任問題なので強行はできなかったが、ここ最近の様子ならそれも問題ないと踏んだのだろうな。
ただ、僕だってただでは引き下がらない。子育て、自分の体調、基礎疾患持ちのためコロナ回避の必要性、口実になるものはすべてデッキに叩きつけてデュエルに持ち込んだ。
結果、希望通りの在宅勤務の条件を勝ち取った。ゴネ得ってあるもんだな。ゴネとか言っちゃってるけどまあ権利を行使しただけの話だ。
そうしてもぎ取った在宅勤務。ゆるゆると仕事をこなして昼食の時間が訪れた。妻と今日はオリジン弁当でも買って来ようじゃないかという話になり、いつも通り自転車を駆り道中を進んだ。
いつもの道のり、ほどなく進んだ所に存在するドラッグストア。そこでは最近電動キックボードをシェアしている。気にはなっていたので登録やらの事前準備は済ませていた。
ほんのんひとときの逡巡の後、これ、乗るなら今なのでは？とキックボード乗車の儀を急遽執り行うことととする。戸惑いながらもアプリで乗車できる状態にし、片足で蹴り勢いをつけて走り出した。
僕はエンジンのついた乗り物はほとんど自分で運転したことがなく、バイクに関しては遠い昔にほんの少し運転させてもらって意図せずウイリーの状態になってしまって打ちひしがれてそれ以来乗っていない。
その前提はありつつもこの電動キックボード、なんだかバイクに近いものを感じた（ほぼ乗ったことないんだけど）。生身で乗車し周りに遮蔽物もなく、自分で漕ぐなどのカロリー消費もなくするすると進むところにそれっぽさを感じたのかもしれない。スピードとしては自転車を頑張って漕いだくらいしか出ていないと思うのだけど、自転車は漕ぐということの対価としてのスピードを得ているのに対して、この乗り物はボタンひとつでスピードが出るので、出ているスピードと体感のスピードに乖離が生じて実際出ているスピードより早く感じた。
小難しいこと言っても仕方ない。弁当買いにいかにゃあといつものオリジンへの道を走り出してはたと気づく。
これ、交通ルールどうなってんの？
キックボードにはナンバーが付いている。ナンバー付きということは軽車両（自転車、リヤカー、馬）ではない。というか確か事前に何かの説明で小型特殊自動車と書いてあった気がする。ということは自転車では通って良い道もこれでは通ってはならないのでは。
まずいぞ、お手本のような免許ドペーパー人間は標識の意味など忘却の彼方だ。ひと気は基本的にないので取り締まられるようなことはないだろうけど、これで違反とか言われたらダサぎる。電動キックボードで点数減らしたくない…！！
間違いを起こす前にと一目散に返却場所へ引き返した。スピード出そうとするたびに身体をもってかれながら。その乗車時間5分未満。ログとかみられたらこのひと何がしたかったんだろうと思われるだろうな。
結局再度自転車にまたがりよれよれとオリジンへ向かった。自転車に乗った直後は自分の労力に見合ったスピードが出る安心感を感じてしまった。AKIRAに出てくるマサルが乗ってるやつ（カプセルに乗り込んで浮いたまま動く）とか絶対乗れないな。
ちなみに2023年の7月から法改正により電動キックボードの扱いが変わるらしく、「特定小型原付」というものになるそうな。そうなると16歳以上であれば免許不要となるらしい。他にも細々と色々変わるようだけど、気になったのはヘルメット。現時点では被る、被らないは任意であるとのことだが、法改正後は努力義務であるというのだ。
出たよ、”努力義務”。任意よりは拘束力はある言葉ではあるが、あくまで「努める」ことを促すことであって「とりあえず言ったからね！なんかあっても責めないでよ」感が否めない。なのでこの言葉あまり好きではないんだよな。やれというのなら言い切って欲しい。だってそうじゃないと大抵のひとはやらんよ。任意と変わらないと思う。
と、まあヘルメット被りたくて仕方ないおじさんみたいになってしまっているけど、そんなわけもなく、つい最近努力義務になった自転車のヘルメットだって髪をセットしたのに被るのが義務になっちゃったら大変よ、もう。などと呑気なこと言ってる勢です。
とりあえず、電動キックボードに関しては免許なしで乗れるようになるとニーズが増えそうな気がするので今のうちに乗っておこうと思う。
