普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

雪国マウンターの中のひとに思いを馳せる

これを書いている今はもう冷たい雨となっているけれど、日中は雪が降った。今シーズンたぶん初。ということは1年ぶりということになる。去年は年始にいかついのを一発かまされて会社から帰ってくるのに雪中行軍となり命を懸けることとなったが今年は在宅勤務だ。

勝鬨をあげたいところであったが透析に行かなければいけない。結局冷たい雨の中自転車をこいだ。もしかしたらメンタル的なところまで含めたら去年ぶちかまされた時よりも辛かったかもしれない。雪でテンションあがってしまうちょろい人間なので雪が降ってしばらくは雪中行軍で命を賭しているわりには内心少し楽しんでいる部分はあったのだ。そういうひとがうっかり死んじゃうんでしょうけど。

しかし今日は結局雨の中悲しく自転車をこいだだけ。悲哀しかない。辛さしかない。あまりにも寒いものだから自転車のハンドルをにぎるために手を開くのも辛くてハンドルの上に握り拳を乗せて寒さを凌いだほどだ。透析クリニックに到着した時には雨風凌げる文明に感動した。感動の沸点が下がっているときは限界が近いときである。限界早いな、我ながら。

前述の通り僕は雪ではしゃぎがちな人間である。それというのも地元が静岡であるというのも関係しているのかもしれない。静岡は本当に雪が降らない。静岡県を作る時に雪を降らせるコマンドの実装忘れたんじゃないかなというくらいに降らないのだ。なので上京したての頃に雪が積もったときは積雪の中をサンダルで闊歩するくらいにテンションを上げてしまった。そのあと指とれたんじゃないかなというくらいに足の指が痛かったというのもいまや良き思い出。

それにしても雪が降ると必ず現れるのが雪国マウンターだ。主にSNS(というかTwitter)に降臨する。いわゆる「東京、その程度の雪でオロオロしてウケる」的なことであるが、「東京は積雪に対応するように設計されていない。お前の地元駅に新宿駅の利用者ぶちこんだろかい」までが毎回のセットである。ふだんとりつく島のないクールビューティーな東京が雪くらいであたふたしちゃって可愛げあるじゃねえのとか思ってもよさそうなものだけどな。

さすがに毎回同じひとが言っているとは考えられないので都度、マウンターの方々は発生しているのだろう。とはいえ、それなりに年齢を重ねて一般常識を身につけていれば東京が降雪前提の造りになっていないということはわかりそうなものだ。もしかしてそういうことを言い出しているのは雪国キッズなんだろうか。それなら少し理解できる。世界は身の回りしかないのだから。はしか的に湧き起こるマウウント的感情。

それかめちゃくちゃ浅薄思想の大人だったりするのか。そういうひとから仕事教えてもらったらめちゃくちゃ思いやりのない指導を受けそうだな。自分の当たり前が他人にとっても当たり前と思ってそうなので。パワハラとかするのってそういうひとなのかもしれない。広い視野、大事。

雪をきっかけに道徳を学んでしまった。自然はいろいろなことを教えてくれますね(適当)

今透析中なので帰りまでに雨が止んでくれることを心の底から祈らずにはいられない。止んでくれるなら寿命7時間くらい差し出してもいい。

止まなかったら…

めそめそ自転車こいで帰ります。

去年の雪写真