普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

ハダカデバネズミだって優勝候補よ

人生初の上野動物園にいってきた。

たぶんあまり撮られない角度の看板(しかもめちゃ西陽)

同じ時期に子が生まれた旧友と食事会をすることとなっており、天気がよければその前に動物園でもということとしていたので、うってつけの天気だった昨日、喜び勇んで訪れた。ちなみにここでいう食事会とは便宜的な表現であり、きっちり飲酒を含む。昼から会うし、飲み会って言っちゃうのもね、的なアレである。

少し前に井の頭自然文化園に行ったことで動物園に対しての気持ちは少し落ち着いてはいたが、やはり天下の上野動物園、落ち着きかけていた気持ちを燃え上がらせるだけのパフォーマンスは発揮していた。

自然文化園は侘び寂びの風情であったのに比べ、上野はきちんとエンタメである。何しろパンダ。パンダがいる。たぶんひとびとが動物円に行く理由の8割はパンダなんじゃないかというくらいに動物園のメインコンテンツである。まあ僕は違うんで2割側の人間ですけども。

とはいえ、初の上野動物園、記念にパンダに御目通り願いたい。入り口付近のわかりやすい場所に「パンダまで30分(意訳)」という看板が出ていた。30分程度なら待ってでもダーパンちゃんに会いたい。そう思いパンダ目指して歩き始めた。

パンダコーナーに到着。いざ現地で行列を確認すると思ったよりもひとが多いように感じる。そしてよく見たら待ち時間は40分に増えている。これは気持ちが試されるときだ。この行列を受け入れることが世界最強の愛玩生物への道だ。いけんのか、おれ。

結果、「いやー…40分はちょっと…」とパンダへの道を進むことを断念した。見られるものなら見たいけど、40分待つという熱意はなかった。所詮はパンダ愛2割の人間である。

パンダは諦めたがせっかくの動物園なのでその他の動物は堪能したい。ふたたび歩みを進め、すでに彩度、コントラストを加工済みかというほどにパキっとしたフラミンゴに関心したり、居酒屋で頼むチャンジャくらい間違いのないペンギンの可愛さを楽しんだ。

色すご。脚ほそ。

その後は小獣館というげっ歯類だのその手の生き物が展示されている屋内設備に移動した。その中でもやはりどうしても気になってしまうのがハダカデバネズミである。いつ頃からかその見た目、悪口としか思えないネーミングに心惹かれていた。生でみるのはおそらくこの日が初めてだったと思う。巡り会ったときには喜んで写真を撮ったというのも無理からぬ話であろう。

が、これである。

な…内臓…?

暗い室内だったので写真が粗いのは仕方ないとして、このみっちり感。やだなにこれ。いや怖い。ていうか全然何写したかわからないレベルだ。これがもっふもふのモルモットとかならたぶん癒しすら与えてくれるビジュアルだったと思うが、なにしろ彼らはハダカである。裸の付き合いを突き詰めた結果がこうなのだとしたら僕らがどうこう言える筋合いはないのではと思うことにする。

でも小獣館の中でもきちんと一番テンションの上がった瞬間だったので出会えてよかったと本心で思っております。僕の上野動物園オブ上野動物園は君だよ、デバ公。パンダも裸になったら見た目そんな変わらんでしょ。

この後もゾウとかキリンとかサイとかゴリラとか虎とか、とにかくスター選手クラスの動物を拝んで動物園とは良いものだなあと再認識したのだった。

大きい動物ってみると興奮する

食事のためにおさえてもらっていたお店の予約時間も近くなり、後ろ髪を引かれながらも退園。今度は平日に休みをとってきてみるのも良いかもしれない。そしたらパンダへの熱意と行列の折り合いがつく可能性がある。

店にインして食事会を開始。我らが子と友人のお子の絡みが尊い。絡みといっても互いに自分の欲望に素直に動いていた動線上に相手がいただけだったというのが事実ではあるが、端的にいってわちゃわちゃしていてその様子がパンダの赤ちゃんが戯れているようでなんとも愛らしかった。パンダ見てないですけどね。

前回この会が開かれたのが6月ということで、もう半年前になる。赤子の半年は冗談抜きで大人の5年分くらいにはなると思う。それくらいに赤子たちの様子は前回と異なる。前きたときうちの子まだ座りすらしていなかったような気がするな。それがあのわちゃわちゃ。そりゃ目も細くなる。

良い意味で中身のあるようなないような話をして、お酒もそこそこにしてこの日は解散。お酒は飲んではいたものの、子も一緒だし当然のことながら酒量については自粛した。やればできる。

帰りの道中も特に問題なく移動し、家についてから家のことをあれこれ済ませて子を寝かしつけて改めて追加でお酒を腹におさめた。夜も深くなりだんだん気持ち良くなってきてなぜだかTHE FIRST TAKEを見まくって床につく。あれ、スタジオライブ的な解釈で合ってるんですかね。

なにはともあれ充実の1日だったのでまたあんな日が近いうちに訪れるよう日々で徳を積んでいこうと思う。