普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

この時期発熱すると色々面倒だなあという話

水曜(2日前)の透析を終えた帰り道、やけに冷えるなあと秋の深まりを感じつつ帰宅。といいつつも実際は気づいていた。身体の違和感に。やけに冷えるわけではなく、寒気を感じていたのだ。そうであって欲しくないから季節の進み具合という情緒に寄せたところに落ち着かせようとしていたが、この年齢になると身体に違和感を感じたときにはきっちりと異変が起こっているということはさすがに察することができるようになってきた。

そうはいいつつもやっぱり具合が悪いということを認めたくないため、家に到着し「さーて、晩酌すっか!」と用意したつまみで酒を煽ってはみたものの、いまいちノってこない。というかちょっとだるさすらある。座っているのがちょっとつらいかな、なんて。

仕方ない…現実を見る時がきたか…と体温計を取り出し検温の儀を執り行った。

37.7℃

うむ。でしょうな。

でも思ったよりは高くない。このままおとなしく寝てしまえば明日にはどうにかなるんじゃないかなという超希望的観測を以てこの日は床についた。

翌日。今日は出社予定の日だし、熱が下がっているといいけどなと体温を測ってみたところ、

39.0℃

こ…これは…

本気のやつだ。むしろこの時期このレベルまで熱が出ているということは色々なことを想定しなければいけない。おかしいな、起き上がった感じ、高熱が出ているときの倦怠感というのはなかったはずなのだけど。

体温計に嘘をつかれている以外に熱がないという可能性はないので速やかに職場に欠勤の連絡をし、ゆっくりと休むことにした。とはいえ、大人としてやることはやらねばならぬ。

最重要確認事項は2つ。コロナとインフルの可能性の確認だ。どちらでもないような気はしていたけど、わからないまま病院にいって、はいそうでしたとなったときに気まずいので普段お世話になっている透析クリニックにどうしらよいかと指示をあおぐ。すると、薬局に抗原検査キットが売っているのでそれでセルフチェックをしてみるとよいとのこと。

妻にお願いし最寄りの薬局に行って確認してもらったが、最寄りの薬局にはキットを置いてなかったとのことだった。それというのもキットは薬剤師が常駐している薬局にしか準備がないとのことらしい。今後役立てるような事態に見舞われたくないけどとりあえずひとつ勉強にはなったかな。

キットは手に入らなかったが僕の好きそうな食べ物を買い込んできてくれた。食欲はふだんの8割くらいあったのでひとまずご飯を食べる。これだけ食べられるということはそんな重篤なものではないのだろうなと思いつつ、何かあったらめんどいので改めて妻にキットを買いにいってもらった。

そうして手元に届いた抗原検査キット。絶対やりたくないなと思っていた綿棒で鼻をぐりぐりやるやつだ。

これを2センチいれるっていうんだから拷問じみている

以前インフルにかかったときにやったことがあるのだけど、あんときゃあまりに痛くて泣いちゃったからな。これを自分でやるというのは相当に自信がない。

そうはいってもやるしかないのでいざぐりぐり。

くしゃみしかでない。自分でやると”こより”みたいにしかならないのだろうか。でも一応規定の深さで決められた動きをこなしたはず。とりあえずOKだろうと判定甘々で行程を進めることにした。ぐりぐりしてとった粘液的なものを薬液につけ混ぜ合わせ、それをキットに垂らしてしばしまつという手順のようだ。

待つこと20分。結果がこちらである。

くっりと現れるrへの線。

Fがインフル、Cがコロナらしい。rはなんだかわからないけど出なければいけない線なのでこれは全て陰性だったという結果である。ちゃんとぐりぐりできていたかか不安だったのでほんとに大丈夫かこれといったところではあるがひとまず流行り病ではないと判明し一安心。

これを透析クリニックに伝えたところ、PCR検査もするので病院にきてくれとのこと。病院までいくのは正直ちょっとしんどいけどまあ動けないほどではないしとよろよろと向かう。

PCR検査ってなんのことだろうなと思っていたら唾液をためてそれで検査する噂のあれだった。以外と唾液の量が必要で、年齢を重ねているひとはけっこうあれ辛いのではないかなという量を求められる。僕が提出したときには看護師さんから「すごーい!」と言われて何がすごいんだろうなと思ったけど、たぶん看護師さんはふだん老人相手にしかこの検査をやっていないのでそれにくらべるとだいぶ早い時間で唾液を提出したのでそれに対しての「すごーい!」だったんだと思われる。唾液垂らしただけで褒めてもらえるなんて自己肯定感爆上がりですな。大きめの犬なら毎秒褒めても足りないくらい唾液垂れまくりだ。

こうしてやることはやったのであとはひたすら眠った。具合が悪くなるといつもそうなのだけど、看病をしてもらうというよりひたすら眠らせてくれるのが一番楽なのだ。身体が求めているのかどれだけでも眠れるし。

明けて今日。早朝に目が覚めたときに体温を測ってみたところ、38.2℃。特に何もしていないから当然といえば当然かと眠り直し、改めて体温を測ったら37.2℃だった。これはいけるんちゃうかと朝ごはんを食べてくつろいでから体温を測ったら36℃台に下がっていた。おお、自然治癒能力!

こうなってくると午後から家で仕事もできたのだけど、気持ちの切り替えができなかったので大事をとってという口実で結局休んでしまった。まあたまにはこういうのもよいやな。たぶん、こどもの頃の熱は下がっているけど大事をとって今日は休もうかってなって、休んではいるけど元気はあるからNHK教育の午前の番組みまくるみたいな時間と同じだ。

ゆっくりしてから透析へ。ベッドに備え付けの机に見覚えのある検査キットが置いてある。これ鼻ぐりぐりキットじゃん!結局病院でもやるのかよ!とちょっとふてくされかけたが、正直自分でやった検査は自信がなかったのでお医者さんぐりぐりで検査を確実なものにしてもらえると思えば悪い話ではないかと思うことにした。

ぐりぐり…

お医者さん「すべて陰性でした!」

よし、これで(たぶん)ただの風邪だったことが証明された。と、思う。

ありきたりな話ですけれども季節の変わり目、皆様も身体をご自愛くださいませ。まじで。