普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

太陽のKomachi Angelゲーム

曲がりなりにも人生を賭してバンド活動をしていたので、音楽との距離感は近かった方であると思う。音楽を常に楽しもうとしていたというか。もう少し具体的に言うと友達と集まれば何か1曲仕上げてみる等、飲み会をやるくらいの感覚で集い、宅録していた。

とはいってもファミコンのBGMをメタルアレンジして、当時はハードとして存在するマルチトラックレコーダー(MTR)に録るというのが主な活動だったわけだけれども。それでもがんばれゴエモンのBGMとかをごりっごりのメロスピアレンジしたものは今でも密かにお気に入りだ。

こういった音楽をネタに”聴く”以外の楽しみをしていたのは僕だけでなく、音楽の専門学校に通っていたので周りの友人たちも同様にエンジョイしていた。

その中でも印象に残っているのが「太陽のkomachi Angelゲーム」だ。B'zの人気曲を利用した、(たぶん)リズム遊びのゲームだ。

ルールは簡単。サビの「あの娘は太陽のkomachi Angel!」の部分に差し掛かったら「あの娘は太陽の」まで聞き、「komachi」でボリュームツマミを一気に絞る。そしてベストなタイミングで「Angel!」を引き当てれば拍手喝采というゲームである。

不毛ですか?ええ、ええ、そうでしょうね。でも大抵のバンドマンなんてこんなもんです。お金はないのに時間ばっかりあるからこういうことを初めてしまうんですな。the band apartだってやっていたに違いない。何しろこの遊びはバンアパ周り(メンバーの後輩)の家で行われていたものだから。

ただ、けっこうバカにできない部分もあって、上記のルールだとkomachi部分だけなので2拍だけの無音時間となるが、だんだんとエスカレートしていって「あの娘は」でボリュームを絞り、太陽のkomachi部分を通り抜け「Angel!」で浮上という4拍無音バージョン、最終的に「あの」で無音となる6拍無音バージョンまで生まれていたと言うのだ。グラインドコアなら3曲くらい演奏できるくらいにはたっぷりとした間である。

わかりづらいかもしれないけれど、6拍無音というとけっこう我慢できずに早めにボリュームを戻してしまったりしがちな間だ。しかもBPM(テンポ)121らしいので気持ちよくのれるけど一番走りやすい(だんだん自分の中のテンポが速くなってしまう)BPMでもある。もしかしたら本当にリズムの訓練として役立っていた可能性はあるのではと思い始めてしまった。ベストキッドでワックス塗るのが修行になってたみたいなことでね。なるかいって話なんですけれども。でもこの遊びはなってたかもしれないのでピーキーな日本文化解釈映画のように「?」とはならない。

ちなみにピーキーすぎる日本文化解釈映画といえば「リトルトウキョウ殺人課」を超える映画を僕は知らない。何かっていうとスシという単語を挟んできて最終的にヨシダさんというヤクザのことスシダさんって呼んじゃったりするからな。購入は難しいかもしれないけど、U-NEXTで配信されているらしいのでマストウォッチです。これだけのために契約する価値ある…か、どうかは個人の価値観なので何かあっても石とか投げんといて。

すっかり話がずれてしまった。あの頃は何でも音楽に結びつけて楽しんでいたものだなとちょっと遠い目になってしまう。踏切の音すらメトロノーム代わりにしたりしてリズム遊びしていたものな。

なにはともあれ、皆様におかれましても太陽のkomachi Angelゲームを楽しんでいただければ幸甚でございます。と、思ったけど、”ボリュームツマミ”を絞るって今一般家庭でそんなUIしている機器ないかもしれないな。