普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

血管の中にスリップノットみたいのがいたらそりゃ痛い

2日ほど前、夜中に目が覚めた際足の痛みを感じた。痛みの種類としては突き指的な痛みだ。ソファで寝ていたのでもしかしたら変な寝相でぶつけてしまったのかもしれないと思いあまり気にもせず再び眠りに落ち朝を迎えた。

目が覚めて活動を開始すると突き指の痛みとは異なる痛みであるように感じてきた。痛みは足の親指の付け根あたりからじんわりと感じる。この痛み、そして痛む箇所.

もしやこれは痛風なのでは…?

いやいやいや、思い当たる節がない。普段からお酒は蒸留酒がほとんどだし、食べ物だってそんなどぎついプリン体ボンバーみたいなものは摂取しない。痛風になる要素、ないでしょう。そして痛風ってなんだかダメひとがなるような病気のような気がして認めたくない。というか兄が自堕落かつ学びのない食生活で痛風になったのを見ているのでどうしても同じ括りになりたくないのだ。

しかし時間を追うごとに歩くのに若干不便を感じる程度には痛みが増してきた。ちょうど透析でお医者さんに会うし、相談だけしてみようと透析の時間を待った。

そうして訪れた透析クリニック。お医者さんに足の痛みについて尋ねる。

「ギツウフウかもしれませんねー」

ギツウフウ…?それって痛風ってことじゃないんですか?と追加で尋ねると同じようなものだけど本番の痛風より諸症状は軽いらしい。主に痛みとか。自分の症状からすると納得の診断である。ちなみに偽痛風と書くようだ。

偽とはいえ痛風認定されてしまった。そんなに無軌道な食生活を送っていないはずなのになぜなったんでしょうかとお医者さんに尋ねたところ、痛風と違ってなるひとはなる、くらいのものらしい。原因も治療法もあまりはっきりしないけど基本的に関節の炎症であることははっきりしているのでロキソニンでなんとかしましょうという方針のようだ。

本物の痛風尿酸結晶というスリップノットのサンプラー担当(クレイグ)のようなものが血管の中に潜んでいるが今回の件はそういうことではないらしい。あんなものあったら痛いに決まっている。写真を見るだけでゾワッッとするし不安になるビジュアルをしているし。

とにかく凶悪にトゲトゲ。手持ちのトゲトゲ写真がこれしかなかった。

偽とはいえ痛風痛風じゃないのか、と落ち込みかけたが調べればどうも似て非なるものということもわかり、とりあえず薬も出してもらえたし快方へ向かいそうだと透析を終わらせ帰路に着く。処方箋はもらったけど薬の処方は本日分は終了しているらしいので明日取りにこよう。

その日の夜。めちゃくちゃ足痛えんすよ。布団が親指に乗っかるとその部分の痛みがひどい。これ本当に偽か?と不安になる痛みだった。それでも持ち前の堕落精神でなんとか睡眠を貪り朝まで凌いだ。しかしこれで偽だっていうのだからリアル痛風って本当に痛いんだな。早いところ薬が欲しい。でも眠い。と堕落と現実問題の間を行ったり来した。

なんとか現実問題を受け入れ薬局へ。薬をもらって薬局を出てすぐさま飲んだ。ある種の中毒患者のように。ささすがに即効性があるものではないのだけど、薬を飲んだという安心感からかなんだかちょっと痛みが引きつつあるような気がする。我ながらちょろい。

これで一安心だろうと時間が経つにつれ、本当に痛みが引いてきた。歩くのに少し足をひきづるほどだったのにほぼ痛みなしまで回復したのだ。ロキソニンすごい。西洋医学万歳である。陰謀論で西洋医学は医療マフィアによる金儲けの手段であると言われているが、こんなにてきめんに効く薬を授けてもらえる医療をいとも簡単に否定できるなんてそういうことを言う方々って自分、身内に病気だったり薬が必要なひとがいないんだろうな。

話が変な方向にいってしまいそうなので今日はこのくらいにしときますか。何はともあれ痛風疑惑から解き放たれ痛みも引いて一件落着でございましたということで。みなさんも痛風っぽい症状が出ても偽かもしれないから諦めないで!