普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

ゴミの内容から嫌疑をかけられることもあるんですな

今週のお題「引っ越し」今思えば、上京する時の引っ越しってめちゃくちゃサボった荷造りをしていたなと思う。家電以外のものってCDとゲームくらいしか持ってきてなかったんじゃないかな。それもゲームに関しては一部だけしかもっていかなかったと思うし。あ、あとは楽器か。

遠く離れて暮らすということにいまいち現実味をもてていなかったのかもしれない。必要なら送って貰えばいいか、的なところで。

今でも相当にあまあまな考えでゆるゆると生きているが、その頃はあまいとかゆるいとかそのレベルではなく、グラブジャムンを煮溶かしたような劇物クラスに甘かったと思う。

僕は地元に住む前に関東に住んでいたことがあり、純粋に地方から東京へ上京するというケースよりは緊張感に欠けていたというのも理由の一つとしてあった可能性はある。その当時の愛郷心といったら希薄にも程があり、上京組の中でも相当地元を早く離れたと思われる。実質5年くらいしか住んでいなかったのでそれも無理のない話かなという気もするけれど。なんなら今の方が愛郷心が芽生えているくらいだ。離れてわかる大事な存在。母への思いも似たようなものだろう。僕は元々母との関係は良好な方だったが。

今にして思えば物件選びもなんかよさそうならそこでいいよと母に任せっきりで内見もしにいかなかったのだった。ただ、変なこだわりは見せており、「ドアの写真だけは撮っておいて」と母に依頼していた。当時(わりと今もだけど)、昭和の団地っぽい叩くとバコンバコンと一斗缶みたいな音が鳴りそうな金属のドアというのがどうしても嫌で、ドアはしっかりしている風のものを求めていた。こだわるとこそこ?と思いはするものの、結果的にはドアだけは上品に見えなくもない部屋だったので満足した。

以前のエントリーで少し触れたかもしれないが、ここの物件はマンションとしては部屋数はそこそこあり、半学生寮のような物件であった。1階には管理人である老婆が住んでおり、挨拶などをしに行った際はそれなりに愛想よく対応してくれたのが今や懐かしい。その後どんどん狂っていったからな、あの管理人。

そもそもペット禁止物件だったのに管理人の部屋には隠されることなく犬が飼われていたというのもおおらかな話である。

管理人のエピソードといえば、こんなものがあった。

当時夜勤であった僕が仕事終わりの朝に寝ていたところ、チャイムを鳴らす訪問者が。眠いので出ないでいるもののチャイムは鳴り止むことがなく、仕方なく対応することにした。ドアを開けるや否や「こっちにきなさいよー!」とゴミ捨て場まで強制連行され「このゴミ、あんたのでしょー!」「この薬のゴミは一緒に出しちゃだめなのよ!この中から拾ってわけなさいよ!」と捲し立てられた。ゴミの内容を見るに薬のゴミなどがあって確かに僕の出したゴミではある。しかしなぜ僕だってわかるんだ…?と思うも眠さで思考能力も低下しているし、早く帰って寝たい。素直に従ってゴミを分別しようとゴミ袋に手を入れたところ「もういいわよー!」と退場させられた。いいのかい。

なんなんだ、このエピソード…いろいろと素っ頓狂すぎる。ゴミ出しのマナーがなっていなかった僕が悪いのはそうだとしても、ゴミの内容から住人を特定するとか怖すぎるじゃないか。でももしかしたら入居の際に病気持ちであるとか伝えていた可能性はあるけど、それにしたって薬=僕になるかね。あのころにはちょっと管理人に異変が起きていたのかもしれない。

そんなピーキーな管理人がいる物件に結局は10年以上も住むことになり、管理人は明らかに常軌を逸した行動をとるようになったなーと思い始めた頃に姿を消した。あの管理人だったから許されたのか、今思えば相当無茶苦茶な暮らし方をしていたのでその当時の僕の周りにいたひと、ほんとすんませんでした。

なんだかもっとエモくなるかなと思ったけれども思いの外ドライな感想しか出てこなかったな。というかほぼ箇条書きみたいなエントリーになってしまった。

でも結構濃い生活を過ごした場所ではあるので認知症などで「帰りたい」と言い出したらここに帰りたいとか言い出してしまうかもな、なんて思ったりもしております。

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