普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

healとhellってちょっと似てるでしょ?

誰しも自分にとっての癒やしとなるもの、心の拠り所となるものはあるだろう。それはひとによって様々であり、他人から見たら到底理解できないものが当人にとっては何にも代えがたいものであることも往々にしてあることだ。

では僕にとってのそれとは何なのか。

メタルだ。いや、ヘヴィーメタルだ。

何にも代えがたい、というよりも代えようがない。ある意味僕の運命を決定づけたもののひとつといえる。

あのやかましい音楽の何が癒しかという向きもあるだろう。しかしあのやかましさこそが、身体を包み込むような音の洪水が安心感を生むのである。それはもはや母の胎内のとすら言える。羊水びっちゃびちゃなのである。

そんな羊水多めな音楽、ヘヴィーメタルはひとによってはストレスゲージをあげる役割しか果たさないのだろうけれど、僕はリラックスしたいとき、さらにはリラックスしているときこそよく聞きたくなる。

メタルにもいろいろあるわけで、エックスみたいな速くてメロディアスなもの(あれはメタルのなかでも相当にメロディアスなんですよ)、暑苦しさの権化、あんかけを煮詰めに煮詰めてギリギリ液体としての体を保っているようなほぼゲルみたいなメタルバンド、「これ本当にボーカル録りしてる?吐瀉音じゃないの?」というようなバンドまで様々だ。ちょっと極端な方向のバンドをあげたけど。あと地獄の扉を開きがちだ。

それでも、そんな極端な方向のメタルバンドであっても僕の中では癒やしとなるのである。

「温かいミルクでも飲んで落ち着いて?」のテンションで「まあアットザゲイツでも聞いてリラックスしなよ」なのである。冷たい雨に打たれた僕を見かけたら家に招き入れて温かいミルクを出されるよりもメロディックデスメタルを聞かせる方が効果的だ。弱っている人間にメロデスの雄を聞かせるひと、はたから見たら狂気でしかないだろうな。

ここまでメタルへの偏愛を語り、メタルを軸として生きてきたということそのものは変わりはないのだけど、一番メタルに熱をあげていて高校時代、メタル以外に勝る音楽などないと思いつつ、ヒットチャートをはじめ、色々な音楽を聴いていた。実はね。

メタル以外音楽ではないと口ではいいつつも、音楽全般いろいろな曲のよさに気づいてはいたわけである。それをきちんと言えるようになるのはもう数年先なのだけど。

なんだかんだで音楽そのものを愛し、貪欲に取り入れようとしていたのだな。おじさんちょっと遠い目をしてしまうよ。

きっと、時代は変わっても当時の僕と同じような気持ちのひとたちというのはいるのだろう。そして、思いがあふれて音楽活動をはじめるひともいることだと思う。

しかし、今の世の中ライブはおろか、スタジオ練習もはばかられるようになってしまった。この状況に気持ちが負けてしまって音楽活動そのものを諦めてしまったひともいるのかもしれない。それは寂しいし悲しいことだ。本人の気持ちだけでどうにもできない部分はあるわけなので。

メタルの火を絶やしてはならんということです。いや、メタルだけの話じゃないですけども。もちろん音楽全般の話。

 

なんというか、結構きれいにまとまったのでは。メタルが癒やしというか最終的には音楽そのものが癒やしみたいなことで。

そう、音楽が癒やしということなのだ。これならきっと賛同は得られるであろう。

 

なのでお願いだからみんなメタル聴いてください。ソナタアークティカの1stアルバム聴いて感涙にむせび泣いてください。

 

お題「わたしの癒やし」