普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

だくだくの雨だくでもはや雨っぽさないよ

雨というレベルではなかった。

今日は在宅勤務ではあったものの結局透析のためにクリニックに行かなければいけないので覚悟を決めて家を出たのだけど、冒頭の通り雨というレベルを通り越してもはや特効だった。あんなの狂った舞台演出かトレンディドラマの雨の再現でしかない。

レインコートを着ていたので全身ずぶ濡れは回避できたが、レインコートで覆われていない箇所、具体的に言うと膝下、足元(靴含む)に関しては完膚なきまでに叩きのめされた格好だ。膝まで水深がある水槽を闊歩したってもう少し濡れることを回避できたのではというくらいにそれはもう水の精霊さながらの鮮やかなおしめりさんとなった。

透析中は着替えているから良いのだけど、帰りにあの服と靴を身につけると思うとこの際ノー雨具で全身ずぶ濡れで帰ってしまおうかとすら思える。PCとかスマホの電子機器を持っているのでやらないけど。そう言う意味では人類は突然の雨にからきし弱くなったものだと思う。意地でも濡れないようにしようとするものな。数万から数十万の損害が出ることを考えればそりゃまあ当然ではあるけれども。

ところでレインコートを着てきたと書いたけれども、そのレインコート。人生で初めてきちんとしたレインコートを買ったのだ。

可愛くないっすか、これ。これがあれば雨の日だってるんるん気分で自転車で颯爽と移動できちゃうんだぜ!

とか思っていたのだけど、初回利用でその希望的観測思考は打ち砕かれた。今日に関してはそういうレベルを超えた雨量だし、冒頭の通り雨ってそんなんじゃないでしょうよ、地球パイセンも悪ノリが過ぎちゃってもう何がおもしろいかわかんなくなっちゃってるんじゃない?なんならちょっとスベってない?そういう儀式かなんか?というレインコートデビューとしてはふさわしくない日の初稼働となったのだった。初めての舞台でズタボロになったのでこの子は強くなると思います。

レインコートのおかげで傘をささず自転車に乗れて、視界もそこまで悪くはなかったのだけど、道ゆく傘さし勢はそうでもないひとがいたようで、ビニール傘をさしていたおばちゃんとすれ違おうとしたとき、よほど自転車とすれ違うのが想定外だったようで「ぎゃああああああ」と断末魔のような叫び声をあげていた。もしかしたら自転車を初めてみたひとだったのかもしれない。

まあでも、おばちゃんは予想外のことに不思議なくらいに大袈裟なリアクションをとるというのはこれまでもあったことを思い出した。妻と商店街を歩いていたら自転車に乗ったおばちゃんがふらふらとこけそうな運転をしており、そのままなんの意外性もなく転んだ。その倒れ込んだ先が八百屋で品物をひっくり返してほぼドリフみたいになっていたことがあったのだけど、そのときもおばちゃんは絶命する寸前の声色であったし、こけた後に「私悪くありませんけど。なんなら被害者ですけど!」くらいの態度はしていた。やっぱりドリフだったのかもしれない。志村けん、会いたかったな。

志村けんの名前を出したところでシチュエーション的にはドリフよりは「志村けんのだいじょうぶだぁ」のほうがエッセンスが近いかもしれないと思えてきた。転びながら商店街の全店ひっくりかえした挙句、最後に書割が倒れてきておばちゃんの頭で書割を貫いて「だっふんだ」で終了と。ブラボー👏

雨、まったく関係なくなってしまったな。

窓の外を眺めて思わずため息。張り付いているデストロントランスフォーマー)のエンブレムみたいのは虫除けです。