普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

○○の国のひと

お米の国という表現がある。日本を指してそういうのを見かけたことがあるのだけど、他の主食となるとどうかとふと思った。

麺の国といえばどうだろうか。世界には数多くの麺の種類がある。パッと思いつくのはラーメンだ。そうなると中国だったりするのかなと反射的に思い浮かんだ。中華麺とかいうし。とはいえ、日本で白米を食べるほど普段麺ばかり食べてるわけでもないだろうと思うのでイメージのみで実は伴わないかもしれない。

そうなるとパスタはどうか。パスタだって麺だ。パスタといえば断然イタリアであろう。しかもめちゃめちゃパスタばかり食べてそうだ。そうなると麺の国は実はイタリアなのではないかと結論に至る。

まったく調べないまま偏見で書いているので麺の国覇権を巡って怒り狂った中国人からはラーメンで緊縛され、勝手なイメージを押し付けられたイタリアからは茹で前の乾燥パスタの束の先端のハケのようになった部分で身体中を掻きむしられるかもしれない。すごいミミズ腫れできそう。

そんな責め苦を受けながら東南アジアあたりのライスヌードルに想いを馳せながら遠のく意識の中で思うのだ。あれ、茹で前は猫が遊び終わった後のすずらんテープみたいだな、と。

知らないだけで他にも主食となりうる麺類はあるのたろうから、各国から麺の国という称号をめぐってあらゆる麺で独自の責め苦をくりだされるのだろう。そこでなぜ僕がなぶられるのかというところに理由があるのだとしたら僕が問いたい。でも貴重な体験だ。死なないのであればそれも一度くらいはよいかもしれない。

他になにか主食となるような食材を考えてみたところ、やはりパンか。パンといえば圧倒的に欧米、その中でも欧州に偏っているのではないかと感じる。クロワッサンとかチョココロネみたいな受け取りようによっては慇懃無礼なパンが存在するのもフランスあたりだ。でもなあ、主食という感じはしないのだよな。どこかで聞いた話ではアメリカなどではそもそも主食という概念があまりないと聞いたことがある。

日本でいうなら主食とおかず。それは例えばお米とお肉であったりするのに対し、お肉があるからといって必ずしもパンを主食として食べるわけでもないらしい。肉でおなかいっぱいにしてそれでよし、となるらしい。だから僕からしてみたら常識外れなサイズのお肉を食べてるのかもしれない。

パンについては思ったほどアメリカでは重要視されていないのかもしれない。パンの国選手権脱落のおそれありだ。

今の軽く調べたらチリはパンを主食としているらしい。思わぬダークホースだった。そのうえチリはお豆の国でもあるらしい。お豆はわかる。なんつってもチリビーンズとかあるくらいだし。お豆とパンで二冠とりにくるとはやるな、チリ。細長いからな、なんかあれば国を切り取って握りしめて突進、刃傷沙汰ですよ。

ここで満を辞して僕が愛してやまないおいもの国のひとといきたい。どこの国からも愛されている食材ではあるとは思うのだけど、主食というポジションにまで上り詰めている国はどこまであるのだろうか。ちょっと意外だなと思ったのがオーストラリアがおいもの国といえるくらいじゃがいもを主食としているそうだ。現地に住んでいる日本人はどうにも馴染まないらしい。じゃがいも料理は「おかず」なのだそうだ。僕はこのあたり柔軟に対応できそうだな。

これもアメリカと考え方としては同じでいもめっちゃ食べるけど主食っていう概念ではなかったりすふのかもしれない。

 

主食についてあれこれぶつくさと言ってみた理由に、なんだかあまり最近お米を欲しなくなってきたことがある。どうも白米をわっさわっさとかきこむという食事の仕方が選択肢に入ってこない。これ、加齢なのか自分の中で米ブーム終了のお知らせなのかわからないけれど、ちょっと寂しさがある。でも食欲不振とかではない。

 

静岡人らしく茶っぱを手掴みでばふばふ言わせながら食べて行こうかと思う。