普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

現地向けに調整するのは味だけじゃない

今日は夫婦そろって在宅勤務としており、お昼ご飯の時間が近づいてきたところでふたりでそわそわし始めた。ふだんから昼食を何にするかいまいち決めきれないことによる。

そんなときは曖昧に買いに行きやすい献立としたりするのだが、今日は違った。妻がビシッと「バインミーが食べたい!」と決意のまなこで切り出してきたのだ。

先日近所のバインミー専門店のバインミーにいたく感動し、虎視眈々と次のチャンスを狙っていたらしい。それが今日だったというわけだ。

そのお店はバインミーバイミーというお店でテイクアウト専門で営業しているお店のようである。

ここのエビとクリームチーズのチリソースバインミーがめっぽう美味い。いちどチャーシュー系のバインミーも食べたのだけど、エビの方がはるかに美味しかったので今回は僕も同じものとした。

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エビ、見えないっすね。でも結構入っているので満足度高いのです。

バインミーってたしかベトナムの食べ物だったと思うのだけど、使われているパンがフランスパン(バゲット的なもの)であることを考えるに、パリジャンサンドが現地の文化と融合したいった結果の食べ物だったりするのかなと思っている。そういう食べ物ってとても魅力的だ。

海外での寿司の扱い(カリフォルニアロールとか)、日本でのカレー、ラーメン、あとはナポリタンなどもそうかもしれない。

元々は「その国食べ方」があったものが自由に発展していき、挙句二郎のようなものまで生み出されているのだから食は自由だ。

カレーについては日本のカレーはたぶんもともとのインドカレー的なものから離れて「日本のカレー」となっていると思う。そして今はいろいろなところで本格的なインドカレーをお店で食べられるとけれど、それでもたぶんだいぶ日本人の舌に寄せたものになっているのだろう。

それというのもまだ本格インドカレーのお店というものがまだそう多くなかった20年ほど前、当時のバイト先近くにインドカレー屋ができたので物珍しさもありよく食べていたのだ。

日本のカレーとぜんぜん違う!うまい!と喜んで食べていたのだけど…辛さが尋常ではなかった。今よりは辛さに耐性のある身体であった当時の僕が辛さに打ちひしがれていたので、今の僕が当時のそれを食べたら食べる前からお腹が痛くなってお尻の穴が熱くなるに違いない。なんならお尻の穴がぽろりと落ちるだろう。まだ排便予定はあるのでそれは避けなければ。

お尻の穴のことはともかく、あれが「本場の味」というものだったのだろうけど、たぶん僕以外からのお客さんからもなにかしら指摘があったと見えてだんだんと辛さは落ち着いていった。ローカリゼーションってああいうことなのかな。

カレーそのもの以外に覚えてるのは店員さんが店のドアに張り付いていて店の前をひとが通り過ぎる際ガン見しているのがなんともおそろしかった。このカレー屋だけじゃなく、あっち系のカレー屋の店員さんはわりとそういうひとが多かった気がする。でも最近そういうのもなくなってきたような気がするのでこちらについてもローカリゼーションされたのかもしれない。

 

あれも「本場の眼差し」だったのかもしれないけれども、なにかが起きてしまいそうで目を合わせられなかった当時の僕もすっかりおじさん。ちゃんと怖いひとたちでないことは学んだのでカレーのついでに変なソーセージみたいなのを変える余裕はできた。

なにをもってして「本場の眼差し」というかなんですがね…

それをここでいうとなんか色々怒られそうなんでドロンしちゃいます🖕