普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

手足口病ってちょっと妖怪っぽさのある名前

幼児の間で夏風邪が猛威をふるっているという。具体的に言うと手足口病との由。自宅にテレビがない我が家では能動的に情報をとりに行くか人伝てに情報を得るしかないわけなのだけど、強制的にそのお知らせを受け取ることとなった。

子供が発熱したのである。ついにこのときが来たか。ある程度年齢を重ねるまではことあるごとに体調を崩すというのが幼児であると伝え聞いてきた。自分にもついにその御鉢が回ってきたというわけだ。

具合が悪くなってしまったからには手厚く看病するしかない。とはいえ、平日の間僕は仕事もあるので勤務時間中は妻に看病を任せることとなってしまう。心苦しいなと思いながら家にいる間はできることをしながら子の容体が回復するよう努めたところ、発熱3日めくらいにはなんとか持ち直してきた。

が、子が元気を取り戻すのと入れ替わるように妻が体調を崩してしまった。始終具合の悪い子と過ごしていたのだからそれはそうだよな。手足口病は感染力はそんなに強くないと聞いていたけどやっぱり風邪は風邪。感染るときは感染るということだ。

実質ここからが本番みたいなところがある。妻がダウンしてしまったということは僕がひとりで子の面倒を見ることとなる。今までも留守番程度のマンツーはあったが、全てを一手に引き受けるというのはこれまでになかったシチュエーションだ。

基本的なお世話はそんなに困ることはないのだけど、ご飯作りがなかなか勝手が掴みづらい。大人のご飯は適当に作ればそれなりのものができるのでよいが、離乳食あがりからそう経っていない幼児にどの程度のものを作ってよいのやら。

しかしこういうときはチャーハンだ。古今東西、森羅万象において、父が子に作るものの筆頭といえばチャーハンなのである。次点はご飯のお好み焼きみたいなやつ。ちょうど良い具合に具材も家にあるし、いっちょやったるかと炒めあげてみた。

しらすなんかもはいっている

味はもちろん薄め。しかしながらふだんわりとヘルシー志向である妻の献立に比べてジャンク寄りの一品となった。僕は子にジャンクを教え込む係として存在していこうと思う。

このほかにも焼きうどんを作ってみたり、冷凍食品に頼ってみたりで典型的な勝手のわからないお父さんぶりを発揮してみたりしているうちに妻の発熱もおさまっていった。

手足口病は大人に感染すると子どもよりも重症化するという話であるが、妻はそこまでの症状には至らず高熱だけで済んだのが不幸中の幸いであった。そうは言っても40度近く熱が出ていたけど。あの数字を見るのはかなり久しぶりで変な汗をかいた。

考えてもみればいつも僕が爆心地となって健康被害を振り撒いていたので今回のように僕だけがシラフで生き残るというのも珍しい話であった。ここで倒れたらいかんという気持ちで持ち堪えた部分もあったにはあったのだけど。

子も妻も回復してきた今、もう大丈夫だろうということで明日の出社のために寝ようとしているけれども、明日の寝起きあたりで発熱するのが僕であるということをお知らせして本日はおいとまさせていただこうかと思いやす。