普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

ダイバーシティって聞くといまだにお台場を思い出してしまう

職場で、何やら所属しているフロアの増員のための社内公募を行うらしく、その宣伝動画に駆り出されることとなった。選ばれた理由は同じフロアの他の人員に比べて病気だの子育てを理由に堂々と在宅勤務を多めにし、時差勤務で早い時間のうちにとっとと仕事を終えたりしているからである。

いわゆるダイバーシティに富んだ働きやすい職場なんですよとアピールするためのパンダちゃん役である。ふだん好きにさせてもらっているだけに断れない。

そのため、昨日は出社して間もなくその撮影にとりかかった。動画は3分ほど、編集なしの撮って出しとのことなので、最速で3分で終わるということである。そんな安易な考えで撮影部屋入りしたところ、僕の喋るパートの原稿をその場で決めていた。なんとも雲行きの怪しい展開。

そうは思ったものの、早く終わらせたい思いもあって僕からも積極的に喋る内容をアイデア出しし、その場でまとめて思いのほか内容は早くまとまった。ふつうの曇り空くらいの空模様にはなってきたような気がする。

よし、じゃあ撮っちゃおうかとアレな撮影風に収録ははじまり、ひとまず撮ったものを確認しようとするも、撮影者がどこにそのデータがあるかわからないとのたまった。お、再び空がどんよりしてきましたね。

やっとの思いでデータを発見。内容を確認したところ、音声が録音されていないとの由。もう完全に暗雲が立ち込めている。視界すら怪しいぞ、これは。

その後、音声がとれないまま数回のリハーサルという名の失敗レコーディングを重ね、けっきょく午前いっぱい拘束されることとなった。この感じ、よくない方向の文化祭の準備時間的だなと思ったが大人として言わないでおいた。

 

何も成果物を得ることなくお昼ご飯(仕事もしていない)。オフィスから外に出た瞬間の空気は盛夏のそれではあるが、9月ももう中盤である。この、建物を出た瞬間にもわっと灼熱な感じ、夏の始まり頃に味わうとこれから始まる夏への期待感で満たされるが、夏の終わりも間もなくであろうこの時期だと「今年はあと何回この感じを味わうだろうか…」とセンチメンタルおじさんが顔を出す。

気温への情緒はともかく暑いものは暑いのでお昼は冷やし中華とすることに。

バーミヤン冷やし中華

冷やし中華ってスーパーで買えば麺とタレで1食100円くらいだし、タレも外食のときとそこまで遜色なくおいしいものが多いので外食のときの冷やし中華の価格に身構えていたことがあるが、これだけ豊富な具をちょっとずつ乗せてくれているのだからどう考えても値段相応である。自分でこんなに具沢山にできないので家で冷やし中華を食べるときは「服、着たら?」くらいに貧相な冷やし中華を食べている。むしろ冷やし中華は外食向きの食べ物であるとすら言えるのでは。

冷やし中華を食べながら、そういえば20代くらいまではひとりファミレスってできなかったなと思い返すなどした。あの頃は「あいつぼっちかよw」的なことを思われるのが恥ずかしかったんでしょうね。若さにありがちな自意識過剰だ。誰も君のことなんか見とらんよと今なら思える。おっさんメンタルを手に入れた今や、ファミレスはもちろん、焼肉だってひとりで行けちゃうし、むしろひとりで行く方が楽だしと思っているフシすらある。逆にどういうお店ならひとりでいくのに抵抗を感じるかなと考えてみたところ、居酒屋という結論に辿り着いた。お店自体は別に大丈夫なんだけど、お酒を飲むと会話をしたくなるからという理由である。なので店員さんなり他のお客さんとなり話せるならおひとり様でも全く問題ない。

 

ぼっち飯でおじさん力を遺憾無く発揮しオフィスへ舞い戻る。さて仕事、と思ったところで午後も撮影の招集がかかった。そりゃまあ撮り終わってないので当然なんだけど。いちおうお昼休みの間にメカニカルな問題は解決してくれたようで、午後の撮影はつつがなく終えることができた。そうは言っても1時間くらいかかったけど。ひとまず終わったからいいや。

 

そして本日、在宅勤務でぼちぼち仕事をしていたら、フロアのボスからメールが入り、動画内の映像とパワポが合ってないだとかの指摘を受けて再撮影の刑に処された。しかも金曜の在宅勤務を返上して。昭和のアニメなら「ひ〜!動画撮影はもうこりごりでやんす〜」と言って画面を丸く閉じながら暗転しているところだ(アイリスアウトっていうらしいですよ)。

そんなこともあって何がダイバーシティじゃいとふてくされて別に用もないのに明日は家で働くこととすることでバランスをとったろうと思います。