普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

数年がかりのルンダンサーガ 完結

なんだか久しぶりに晴れた気がする。今日は在宅勤務だったので天気はあまり関係ないといえば関係なかったわけなのだけど、やっぱり晴れているだけで気分が違う。そしてお昼ご飯調達の意気込みも変わってくる。

なんだかお昼ご飯のことにばかり言及しているような気がする。いや、気がするわけではなく事実そうだ。何せ仕事の日のハイライトなもので。むかーしmixiで全然知らないひとの足跡がついていて、見に行ったらお弁当屋さんの店員さんで、その日販売のお弁当のことだけを日記で書き続けているひとがいてなんとも味わい深い気持ちになったものであるが、僕のいまのこの状況、まさにそのお弁当屋さんと一緒なのでは。見るひとの視線を遠くに投げさせるブログとしてぬるま湯をじゃぶじゃぶしてこうかと思います。

いやね、でもそのお弁当屋さんは本当にお弁当の紹介オンリーで、そのひとの感想とかおすすめポイントとかを紹介するわけではなく「今日はちくわの磯辺揚げ弁当が販売されます。380円です。」みたいな内容で1本仕上げてくるわけでして。ある意味で煮詰め切ったストイックさを感じる。それに比べるとこのブログは煮込みが足りないか。おでんをこの状態で売ったらがっかりされるレベルである。

そういいつつもけっきょくお昼ご飯のことしか書けないのだけど。せめて時事的なことを書いておこう。受け取るひとが受け取ればもしかしたら情報っぽくなるかもしれない何かを。そんなわけで松屋の期間限定メニューを食べた話。

ルンダンの文字の小ささ

写真そのままだけど、”マレーシア風牛煮込み ルンダン”である。実はルンダンは初めてではない。けっこう前にテレビ番組、相席食堂で「世界の料理ベスト50」の1位がルンダンだと紹介されていたのだ。このとき初めてルンダンという食べ物を知った。

それからもおりに触れてルンダンのことを気にかけていたが、専門店に行くまでの熱量もなく、ルンダンとの曖昧な距離を保つ日々を過ごしていた。そんなある日。場所はどこだったか忘れてしまったが、スーパーで運命的な出会いを果たした。

スープのくくりとなるわけか…

ルンダンスープに巡り合った。ルンダンを知らなければ名前からどういうものなのか皆目見当もつかない。それ対策なのか、材料のイラスト、はてはどういう雰囲気のスープかの説明書きまである。ここまで書いてあってもおいしいんだろうなと思いつつ買うひとはそう多くないレベルで謎のスープだ。僕みたいな珍しいものに飛びつくタイプは喜んで買ってしまうのだろうけど。ポジション的にずっと前に売られていた変味ペプシ(きゅうりとかあずき)とかと同じポジションの売り物のようにも感じる。こっちはきちんと世界で1位とってますけども。

正直、ルンダンスープについてはあまり味に覚えがない。「おいしいけど…こんなもんか…」というようなことを思った記憶はあるけど、「ま、でもインスタントのスープだしな」という幼少期のキスは初キスにカウントしないみたいな気持ちでルンダンから目を逸らした。

その後、ルンダンとは知らない仲ではないけど2人きりはきついかな、という距離感のまま時はながれた。そしてまたある日。実はカレー屋でおなじみの無印食品のレトルトカレーコーナーでレトルトのルンダンを発見したのだ。

お?君カレーだったん?

”世界のスープ ルンダン”として見かけるよりも、カレーコーナーの珍しいカレーくらいの立ち位置のほうが圧倒的に売れそうだ。そして無印にいく層はこういうの絶対に好きに違いない。例に漏れず僕もなので迷わず購入した。
このときのことはきちんと覚えている。ココナッツクリームとスパイスが効いていてとても好みの味だった。ラクサ(のカップヌードル)と味の方向性が似ているような気がする。ココナッツクリームはマレーシアとかシンガポールあたりの料理でよく登場するけど、台湾でいう八角みたいなものなんだろうか。

好みの味だったし、素直においしいと思ったものの、まだ「おいしいけど…インスタントだしな…」の気持ちは払拭できていなかった。そこにきて今般の松屋のルンダンである。松屋は以前にもジョージアの料理シュクメルリをリリースしたりと何かと多国籍づいている。しかも松屋お得意のカレー方面の食べ物ということで否が応でも期待は高まった。

煮込みとは言ってるけどカレーのビジュアル。まあカレーも煮込みか。

”あの辺の国のお料理”感がすごい。僕はとても好きだった。東京なら街にひとつはありそうな松屋というチェーンでこれを食べられるのってありがたい話だと素直に思えるおいしさだ。でもたぶん、だいぶ控えめにしてはいるのだろうけど、ココナッツ、スパイスの風味がそこらで売っているものに比べると強めなのでひとは選ぶかも。そしてお米よりもナン的なものの方が合いそう。松屋はお米をわしわし食べさせるお店なのでお米に合うようにはしているのだろうけれども。

きちんとおいしいものを食べたと思えたので、こうなってくるともうマレーシア料理屋とかにいかないとこれ以上のルンダンを食べられないと思う。でもたぶん行かない。ということで僕のルンダンサーガはここで幕引きとしよう。