世界一おいしい食べ物はカレーヌードルである。これは揺らぐことがないたった一つの真実。そう思ってこれまでの人生を過ごしてきた。
しかしパラダイムシフトが起きた。僕の世界は変革を迎えたのだ。カレーヌードル原理主義を貫き通してきた僕の前に現れた新たな王…
そう、ブリの照り焼きである。
なんなんですか、この料理は、うまい、うますぎる。十万石まんじゅうのCMで食べてるのブリの照り焼きなんじゃないかなというくらいにうまい。
肉ばかり食べているからたまには魚でも食べるかと気まぐれで買ってきて、塩焼きってのも味気ないから照り焼いちゃいますかとこれまた気まぐれで調理してみたら信じられないくらいに美味しい食べ物が出来上がったのだ。意味不明にうまい。法に触れているんじゃないかと動揺するほどのうまさに震えた。特に良い素材ということもない。なんならスーパーで値下げされていたブリである。それがこれほどのポテンシャルを秘めていたのだから、市場とかできちんとした状態のものを腕のあるひとが調理したものを食べたりなんかしたら卒倒してしまうかもしれない。
ブリがおいしいことはこれまでだって知っていたし、ブリの照り焼きだってこれまで食べたこともあったはずなのだけど、ここにきてカレーヌードル超えをかましてくるとは人生何が起きるかわからないものだ。カレーヌードルへの偏愛についてはこれまでの記事でも触れているのでこのブリ照事変がどれほどのことかをご賢察いただきたい。
なにせ漢字で書くと「鰤」である。魚へんに師。魚の師匠である。凄いし偉いに決まっている。あとたぶん強い。ドラゴンボールで言うなら亀仙人、幽遊白書で言うなら玄海師範。主人公がどれほど強くなっても生涯師匠。ブリにはそのくらいのポテンシャルがあったということである。
調理方法、手順も簡単でこれほどおいしいというのが本当に偉い。ちなみに手順としては以下である。
・身(両面)に塩を振り30分待機。
↓
・水で洗い、水気を拭き取る。
↓
・小麦粉をまぶす
↓
・油を引いたフライパンで焼き目がつくまで焼く
↓
・タレ(酒、醤油、みりん)を絡め、照りが出るまで煮詰めていく。
↓
・完成\(^^)/
これだけ!すごい!包丁いらず!そう言う意味で言ったら野菜切ったりする分焼きそばの方が手間がかかっている。それであれだけおいしいのだからチートである。もはや食べ物界のオーパーツ、世界のバグと言っても良い。世の中の綻びををここに見た。
ブリ礼賛がすぎるかと思われるかもしれない。でも本当に食べて判断していただきたい。食べたら絶対に心の中のブリ占有スペースはたちどころに膨張するに違いない。
さあ、今夜のおかずはブリに決定。ブリの社会的地位を底上げするため共に歩もう。
ま、実際のところ加齢による味覚変化なのかな、とかよぎったりするのだけど、そういう趣のない思考にはふたをしておこうと思う。