普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

お昼ご飯チャレンジ 新章

昨日は職場が引越しをした後の初めての出社であった。まず降車駅が異なるのでそれを間違えないように通勤中は呪詛の如く心の中で降車駅を唱え続けた。その甲斐あってきちんと間違えずに会社には到着したけど、こういうのは慣れた頃にやらかすやつなので心にいつも呪詛を飼い慣らしておこうと思う。

届いていた荷物を開梱し、適宜しまう。たぶん僕は圧倒的に荷物が少ない勢だったので取り出される荷物はあっという間に収まるところに収まった。なんなら箱から出して割り当てられたキャビネットに直行するような荷物もあったので「これ、捨ててきてもよかったな…」というものもあった。こういうところに普段の片付けのできなさが垣間見える。

新しいオフィス、綺麗だし広い。そしておしゃれさを意識しているのがとてもよくわかる。よくわかるけどおしゃれのために機能性を犠牲にしているのではという部分もある。複合機だったりそういった複数ある機器が広いオフィスの中謎に2台並んで鎮座しているのだ。まったく同じ機能を持つ同型式のものがである。

付き合いたてのカップルだってもう少し離れるんじゃない?くらいににはびっちり隣同士でそこに陣取っているのだ。同じシマの女傑に「あれ、明らかに非合理的じゃないですか?」と不満を漏らしたところ「あれがこの会社のおしゃれさのベクトルなんだよ」と、同じく不服そうであった。

確かに見栄えを良くしようとして本質を見誤ってそうなところ、勤め先の会社らしさではある。まあ、歩く理由ができるから座りっぱなしにならないで良いとかそういうポジティブな面もあるのだろうし気にしないことにしよう。おしゃれは我慢っていうしな。真冬に上半身はマタギみたいなあったかそうな格好しているのに下半身はほぼ裸みたいな短さのミニスカートをはいているのだって我慢の先にあるおしゃれさなのだろうし。果たしてその格好がおしゃれなのかもわからないしそもそも今どきそんな格好したギャルなんぞおらんか。もう20年くらい前のギャル像かもしれない。でもいましたよね、そんなひと。

引越しをして環境が変わって落ち着かないものかなと思ったりもしたが、最近在宅勤務も頻繁に行うので働くという意味で言うとけっこう違和感なく新しい環境で働けたように思う。

ただ、お昼ご飯は事情が異なる。お昼ご飯に関しては完全なるフロンティア精神をもって挑まねばならない。そういった思いから目当てのラーメン屋にあたりをつけ昼休憩とともに歩き始めたが、完全にミスった。思いの外遠かったのだ。この時期の一番太陽の高い時間帯に行くお店ではなかった。

しかもしっとりを通り越した発汗状態で到着した先では若干の行列が発生していた。とはいえラーメンだし回転が早いだろうとたかを括って並んだらこれまた思いの外待たされた。たぶん後ろに並んだパリピ感溢れる6人組の席を用意するために店側で色々と席の具合を調整した結果なのだと思われる。昼時に6人で都心のラーメン屋に訪れるなんてどういう空間把握能力の持ち主なんだと思わされたが、食べたいものを食べたいよね、と滅却した心頭による優しさで乗り切った。

思わぬタイムロスであったため、サクっとラーメンをすすり職場へ戻る。せっかくだし行きと道を変えようと思い歩いていたら職場のすぐ裏と言えるような距離感に汗だくになってたどり着いたラーメン屋の別店舗があった。

「わお!ドミナント戦略!!」思わずそう叫んだ。心の中で。そういうことやりそうなタイプのお店じゃないのにやるんだと驚きとともにどっと押し寄せる徒労感。流した汗の不毛さたるや。

でも考えようによっては次からは今日みたいな思いをしないで手近なところで同じラーメンを食べられるということなのだからお得か。ものは考えようだ。

昨日1日でお昼ご飯について今後のあれこれを考えられたので、これからしばらくは出社時のお昼が楽しみだ。