普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

煽り耐性ゼロなのでその手の商品はすぐ買ってしまうおじさん

このところひとの心を掴むために手段として煽り気味の文言を使用する事が増えているのではないかと思う。だってこれだもの。

お?やんのか?

「最高にうまいラーメン」だけであれば大言壮語に感じ、おやおや、言っちゃってますなあくらいで手に取るまでに訴求力はないかもしれない。しかし「最高に面倒」とある。あえての「面倒」。しかも「最高に」。言っちゃうのかい。それをあえて言ってしまうのかい。

よしわかった。どれほど面倒なのか試してやろうじゃないかという気持ちになる。けっこう迷いなく購入に至った。煽られるとすぐのってしまうという煽り耐性ゼロぶりを発揮してしまった。時代に負けている。

何が面倒なのかというと、パッケージにもちょこっと書いてあるようにお湯を2度がけということなのである。お湯で麺を戻し、1度湯切りをしたあとにスープ用にお湯をもう1度注ぐということだ。カップ焼きそばの手順にスープ作りの手順が加わった格好で、まあ面倒と言えば面倒だけど、カップ焼きそば+お湯ワンモアって考えると個人的にはそんなに面倒でもないな。

商品の根幹を揺るがすような気持ちになりつつも作ってみないことにはその感想も実態を伴わない。ひとまず作ってみよう。ちなみに付属の小袋たちは以下。

ひとつ早まってあけてしまった。

小袋は多いほど期待感がある。あれこれ指定された順番通りに投入していくことでカップ麺と言えども少しだけ調理している感覚に。その手間が味に反映されるのではと心の中で期待値があがっていくのだ。

そして出来上がったのがこちら。

のりだけついてました。

めちゃくちゃシンプルな見た目だ。個人的にはラーメンを食べるときに具のことは気にしないのでこれでまったく問題ないのだけど。ただ、確か価格が400円くらいしたと思うので気になるひとは気になるのかもしれない。

言っときますけどね、この時点で相当にハードル上がってますから。そりゃ「最高にうまい」だからなあ。でも「最高に面倒」ってこともなかった。これで最高にうまければお得でしかない。さあ、これ以上は食べてからだ。ラーメンを口に運ぶ。

 

最高…かなあ…?

 

いや、おいしい。おいしいとは思う。カップラーメンの中では断トツで上位だ。ではあるのだけど、いかんせん前提が「最高にうまい」なので心に迷いが生まれてしまう。ハードルがあがりすぎて思い切りジャンプしたらそのハードルが実際はそんなに高くもなく、全然跳びすぎてしまって気まずさを感じながらの着地といったところか。

”家系”と売り出されていたのでそこにも期待していた部分はある。僕は家系ラーメンといえばくっせーのが好きで、ギリギリ感のある豚骨臭をただよわせるきつめのものが好みだ。なんならギリ食べ物くらいのくっせーの。それを考えるとこのラーメンはとても上品と言える。それはまあコンビニで売るような商品に限界豚骨みたいなものがあるわけがないのだけど。

ちょっと期待していたものとは違ったけど、カップ麺のお昼ご飯としては優雅で満足だった。サイゼリヤで豪遊したくらいの満足度はある。実はサイゼなのに「おれイタリアンで好き放題たべまくってやったよ〜」というくらいの感じで。自分で言っていて意味がよくわからないけど。要は満足はしたということである。

煽り気味な商品ではあるので食べたひとは色々な感想を持つ事だと思う。僕は煽り耐性ゼロなわりには引き下がるのも秒速なので本件については深追いしないことにする。

ただまあ…商品名「(カップラーメンの中では)最高に面倒で最高にうまいラーメン」くらいに表記してくれるともう少しハードルが下がっていいかなと思います。そして相対的に評価もあがる。

これからも果敢に煽られて高さ不明のハードルをばんばん跳んでいこう。