普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

グルーヴの酒席

最近週末になると天気が悪くなり、週明けにわりと天気が良くて、在宅勤務をしながら唇をかむということが多い。その日差し、週末にまわしてくれよと。

先週末もまさにそれで、土曜などは春の嵐としか言いようのない天候で外出する気を根こそぎ奪われ家の中で過ごすことを余儀なくされた。本当は久しぶりに行きつけのお店に行こうかななどと思っていたものの、この雨風の中出かけるたくましさはわしには残されておらんのじゃよ…ぐぬぬ、とよぼよぼとふてくされて飲酒をしはじめる始末。

すると、頃合いを見計らったかのように楽しそうなメンツで楽しそうに飲んでいるとの連絡が。せっかく声をかけてもらっているのに行かないのももったいない。雨の中出かけることにした。なんなら春の嵐の風に乗って移動した。

声をかけてもらっていたメンツは早い時間から飲んでいたらしく、僕が入店した頃にはだいぶ良い具合にテンション仕上がっていた。とはいえこちとらだらしのない酔っ払い筆頭である。すぐに酒をあおって歩調を合わせることに成功した。

いやあ、楽しかった。ここ最近会社のひととしか会話をしてなかったのでどうしても控えめというか、「社会人」ぽさを意識した会話になってしまっていたのだ。僕などすぐに不謹慎ギリギリのネタをぶちこんでしまいがちなので会社でそれをやったら人格を疑われることとなってしまう。いちど会社で我慢できずにぽろっとそれ系の発言をしてしまったことがあったが、気を遣われたのか流された。ふつうにスベッた感じになって変な汗かいたわ。

しかし昨日のような場所ではそれがなく、きちんとみなさんろくでもない(褒め言葉)。会話をしているうちにある種のグルーヴみたいなものが生まれてきて、それを肴に酒を飲むみたいなところがあるのがやはり楽しさなのだろうな。家でもまあまあ飲むけど飲めりゃよいというものでもないのだなと今さらの気づきだ。

そこそこ飲んで楽しく過ごしても度を越してしまうと楽しくないことが待ち受けている。帰りに転んであばらにヒビが入ったり、階段から落ちて聞いたこともない箇所の骨を折ったりしてしまうものだ。そこを言うと土曜は適量で引き上げることができたのも酒飲みとして及第点だったと言えるだろう。人間40過ぎても成長することもあるんですよ、みなさん。

思えば僕もだいぶひととしてマシになったものだなと思えるもの。ほんと、結婚前からの行動を含め思い返すと妻はよく一緒にいてくれるものだなと折に触れて思う。前世はふたりでひとつの寄木細工かなんかだったじゃないか。がっしりパーツ同士ホールドってなもので。いずれにせよ、良き伴侶と出会えていることは幸せだ。

この調子でこの先もひとつよろしくお願いしやす。と、こんなところで言ってみるやつ。

特に載せる写真もなかったので適当なやつを一枚。妻が桜の花に蜜を吸いに来ている蜂をおさめたかったのだけどたぶん撮れていない写真。

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あ、前回も桜の写真だったな。まあ儚いもんですのでこの時期に過剰摂取しときましょう。

 

パンへの使命感で出社

朝、目を覚ましたら家を出る時間だった。久々にやってしまった。しかも妻に声をかけられて起きたくらいなのでそれがなければたぶん始業時間など余裕で眠ったまま迎えるところであった。ただ、こういうときこそなぜだか落ち着いているもので、「ま、とりあえずシャワー浴びるか」と謎に落ち着き払っており、妻から巻きで準備するならシャワーは省略しては?との提案があるも断固としてシャワーを浴びる姿勢を崩さなかった。何度でも言うが、朝シャワーを浴びていないおじさんは公衆衛生上好ましくないのだ。

今日は出社の日だったが、もうこの際在宅勤務に切り替えるかということも頭によぎった。いつでも在宅勤務できるように在宅グッズは常に持ち歩いている。しかしそれはできないとすぐに気づいた。

会社のデスクの上、食べかけのパンを置いたままだ。

なんということ。昨日も出社をしていてどうしても小腹が空いて買ってはみたものの何口か食べたら「なんかいまこれじゃないな」とデスクの傍に取り残されたハムマヨパンを放置するわけにはいかない。

仮に今日急遽在宅勤務としたら同じ島のひとに「あの、僕のデスクにハムマヨパンがあると思うんで処分してくれません?」などというトンチキなお願いをしなければならなくなる。そんなことになったら次回出社時から「あ、ハムマヨきた…」「ああ、あのひとがハムマヨの?」と後ろ指さされることになる。そんなことは絶対に避けたい。あと食べられる状態のものを捨てるのは単純によくない。

出社の大義は得た。出社をするしかない。急いで準備を…!とはならず、のんべんだらりと準備を続けた。なんなら途中から遅刻してもまあ別に構わんかとまで思っていた。大名か。

そんなこんなでどうなることかと思われた朝のピンチだったが、結局のところギリギリで始業時間に間に合った。まあこういうときってだいたいこんなものだ。それでいつも思うのだけど、朝なにしてんだろうなと思う。動作ごとに無意識で止まってコマ送りみたいな動きでもしてるんだろうか。かくかくのプレステ黎明期の処理落ちポリゴンみたいな朝の身支度とかむしろ見てみたいものではあるが。

このような経緯から問題のパンは出社一番で胃に収めた。朝からひとをさんざん翻弄してくれたパンは勝利の味がした。などということはなく、ハムとマヨネーズの味であった。だってハムとマヨネーズのパンだからね。凪の味です。

パンのせいで出社というくらいにはもはや仕事は家でもオフィスでもどちらでもよいくらいにはなっているのに会社は7割くらい出社させようとしてくる。素直に従えそうにないので毎日帰り際にパンを食べかけにして置いておこうかな。

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宝だって違法に置き去りにしたら不法投棄

僕がこどもの頃というのはエロに触れるというのはなかなかにしてハードルが高かった。打ち捨てられていた一度雨に打たれた後に乾いたかっぴかぴのエロ本でさえも尊きトレジャーだったのだ。

だが現代では状況が違うだろう。インターネットを駆使していつでもエロに触れることができる。ペアレンタルコントロールなどはあるにしても僕がこどもの頃よりは何かしらの形でエロへたどり着くことの難易度は下がっているはずだ。大いなる遺産(捨てられたエロ本)に出会うということはこの現代では夢物語でしかなくなってしまったのか…

と思ったらあった。

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全部ではないがたしかに感じるエロスの息吹。残念ながら紙媒体ではないものの、打ち捨てられて雨風にさらされているエロという時点で運命的な出会いを果たしたといえる。しかも歩行者などほぼいないであろう道路にかけられた橋の下にあったのだから完璧と言わざるを得ない。これを投棄するためにわざわざ車でここまでやってきて、車から降りてぶん投げているのだから味わい深い。まあ結果、普通に不法投棄なんですが。

ちなみにこれは都内で発見したものではなく妻の実家付近で発見したものだ。妻の実家付近は大変に牧歌的な環境であるためこのような事案にも遭遇できたというのはあるかもしれない。上記トレジャー以外にも空き缶、ペットボトル、空瓶(一升瓶)などがロードサイドに投棄されており、前述の通り車しか通らないような道でなぜこんなにゴミがすてられているのだろうと妻と訝しんだ。走行中の車の車窓から捨てたのかというのも考えたが、それいくらなんでもモラル低すぎでは…と別の線を探っている。ちなみにお酒の空き缶などもあったので車からのポイ捨てというのは本当にないのかもしれない。さすがに飲酒運転しながら飲み終わった空き缶を車窓からポイとか世紀末シティすぎる。

僕の実家もまあまあな環境で同じような道路はあるのだけど、あそこまで荒んだ環境には出会ったことがないのでいろいろ考えさせられてしまいましたな。

絶対にないと思うけど、あのロードサイドにゴミを捨てまくっているひとがこのブログを読むようなことがあったらゴミの不法投棄は些細なものでも違法なのでやめたまえよと言いたい。誰にとっても得がない。

そういった環境だからなのか不法投棄に関する注意喚起の看板も複数立てられていた。僕ら夫婦はこのとき歩きでこの道沿いを通り過ぎており、何枚ものその看板を見かけた。そのなかの一枚がこちら。

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この写真、加工してある。看板下部は普通に電話番号などが乗っている部分だが、問題はこの不法投棄を見張る鋭い目。その眉間だ。

なんかエロ写真貼られてたんすよ。しかもわりとガチめの。

もうどういう意図なんだかさっぱり理解できない。不法投棄取り締まりへのアンチテーゼなんだろうか。不法投棄はたしかにダメだがエロ系は財産の生前分与みたいなもんだぜ、的なことで。何度も言うが歩行者皆無の道なのでこの看板を目にするのはドライバーだ。車で通り過ぎているときにこの眉間のエロ写真に気づくわけがない。僕らがたまたま歩いて通り過ぎたから気づいたが、誰にも気づかれずにこのエロは存在していたということになる。秘宝か。

でも、こういった僕らが子どもの頃に潰えたと思っていた路上エロがまだまだ存在するのだなとこの年齢になって触れられたことはよかったのかもしれない。

とかちょっと良い体験しましたみたいな締めにしようとしたけど不法投棄にエロスでは絶対に無理でしたな。次回はクリーンにいきたいと思いまーす🧹

 

猫み大盛られ

週末は宣言通り妻の実家にお邪魔していた。遠出することが少なくなった昨今、貴重なお出かけ先である。妻の実家には有料特急や空の便を使用しなくても到着はできるのだが、最寄り駅が「最寄り」ってそういうことだっけ?というくらいに最寄っておらず、車でのお迎え依頼が必須となる。要するに駅から遠いのだ。

毎回妻の家族にお願いして迎えにきてもらうのだけど、今回は義弟がその役目を受けてくれた。義弟は非常に寡黙な男で僕とは正反対だ。僕から話しかけない限りほとんど会話がない。それ、君が嫌われてるからではないのかと思われるかもしれないがそうではない。あ、いや、そう思いたい。その根拠もある。無口で会話こそ少ないが、今回のようにお迎えをお願いした際や、その他困りごとには非常に親身になって対応してくれるのだ。高倉健的な男なのだろう、きっと。話に聞くところによると義父もそのようなタイプのひとであったと聞くし、義祖父も同様だったので寡黙で親切心のある妻の男性家族のなかにいきなり僕のような軽薄おしゃべりおじさんが紛れ込んできたというわけだ。義弟は姉(妻)の好みってこんなんなのかと不思議に思っていることだろう。

迎えにきてもらってなんのお礼もできないのも居心地がよくない。せめてお昼でもと義弟を誘ってラーメンを食べにいくことにした。そこで初めて義弟から話を振られたのだ。

「休みの日は昼間からお酒を飲んだりするんですか?」

そこ?そこなの?酒好きであるというイメージはもたれているだろうなとは思っていたが、もはや趣味以上に酒と深い付き合いをしていると思われているのだろうか。

「最近お酒を飲むと1日終わりみたいになっちゃうからそれができなくて悲しいんだ。」

と悲哀に満ちた中年の解答をしておいた。「でも焼酎なら大丈夫なんだけどね」という謎の言い訳を添えて。ちなみに義弟はお酒が身体にあわないので普段まったく飲まないらしい。10年は飲んでないとのこと。そ…そんな人生があるのか…と改めてそれぞれの生き方があるのだなと痛感した。肝臓とかとぅるんとぅるんなんだろうな。

妻の実家のメインイベントといえばやはり愛くるしい毛玉どもとの戯れである。毎回めちゃくちゃ警戒されて家に入ってからしばらくは猫、一緒に暮らしてるんだっけ?というくらいには目の前に現れないのだけど、今回は早めに登場してくれた。それどころかけっこう仲良くなれた気がする。その証がこれだ。

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こんなひょっとこな姿をさらしてくれるのだからもうマブダチだ。ついでなんで別角度から。

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家に動物がいるというのはかくも心に安らぎを与えるものなのか。ちなみにもう一匹猫がいるのだけど、思いきり警戒されているのか、そういう性格なのかわからないがほぼ狭くて暗いところに身を隠しており、あまり接することができなかった。そのなかでも撮れた貴重な一枚を。

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かわええのう。いま子猫と成猫の間くらいでなにかとちょうどよい時期なのでこのタイミングに会えてよかった。こちらの猫だけきちんとした写真を披露するのもフェアでないのでひょっとこ猫の正統派写真もあわせて披露とします。

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こうして猫みをふんだんに味わいつくし、妻の実家を後にしたのだった。今度猫にお土産を持参して隠れてばかりいたほうの猫を懐柔しようと思う。

 

 

 

符丁のようでありながら事実に基づいているのかも

さむいわー。ひくわー。ほんとないわー。

せっかく暖かくなってきたのになんなんだ、この気候は。昨日までがだいぶ暖かかっただけに落差で冬本番よりも寒く感じる。そして寒さへの憎悪の気持ちも一入だ。冬将軍がそこら辺をほっつき歩いていたらさらってサウナに監禁してやりたい。

しかもそんな日に限って出社をしていた。在宅勤務に切り替えてしまおうかと思ったがなんだか言い出せないままのこのこ出社してしまった格好である。

昼には雨まで降り出してきて、お昼ご飯選びも選択肢が狭まる。本当に寒くて雨というのは良いことがない。三寒四温で春へと向かっていくというが、ここはひとつ三温四暑くらいでいっていただきたい。もう寒いのとかオワコンですから。

あまり寒さをディスってばかりいても生産性を欠くので今日の出来事を振り返ってみる。

今日は久々に朝、電車が遅延していた。アナウンスを聞くに、「車内急病人発生のため」の遅延との由。この「急病人」、隠語であるという説がある。実際は痴漢のトラブルだったりするのかもしれない。さすがに痴漢対応のために電車が遅れてますって堂々といったら非難轟々で電車が進むごとに電車の窓がどんどん割られていくような事態になりかねない。なので関係者だけに伝わるようにマイルドに対応としている可能性はある。

しかしものは考えようだ。痴漢など普通の精神状態の人間が行うような行為ではない。それはもう常軌を逸した行動なのである。それを行うということはある種の発作が起きていると考えられないだろうか。「急病」が「発生」している。駅のアナウンス、完全なる符丁ということもないのでは…と、思えるかどうかはあなた次第です!僕は思いません!電車は遅れるべからず!

ひとに迷惑かけるところで勝手に欲情するなという話である。どうしてもっていうなら樹海入り口あたりでエロい木のウロとコブとかに興奮でもしていればよい。触り放題だぞ、ネイチャー痴漢プレイ。

1日を振り返るなどと言って朝の出来事で大半終わってしまいそうだな。そもそも急病人=痴漢という話だって僕の憶測でしかないわけなのだけれども。

結局電車の遅れは大したことなく普通に出社をして普通に過ぎていったのだけど、今日は同じ島のひとで休みや不在が多かったのでそのリカバリーにまわることが主な仕事であった。ま、そんな日があってもよいやな。途中、部内をふらふらしていたらものすごく世間話レベルのトーンでかつての東日本大地震津波被害でご実家がなくなってしまったという話をしていた従業員がいておののいた。知らんかった…あのひとはこの間の3.11をどういう気持ちで過ごしたのだろう。

そういった仕事以外での少しの心の動揺はありつつも概ね平和にときは過ぎていき今に至る。明日は実は妻の実家にお邪魔する予定なのだ。それはどういうことかといえばこういうことだ!

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待っていろよ!愛くるしい毛玉たち!

毛玉情報は次回更新時にでも🐈

 

 

梅と狼狽

梅の花の季節だ。桜との絶妙な時期のずれによりそんなにありがたがられているイメージのない梅だが、僕はそれなりに好きだ。桜を美人と喩えるなら、梅は可愛いみたいな感じがして。この時期、梅の花を見ると思い出すことがある。

 

高校生の頃、クラスメイトのよしあきという人物が入学早々学校を去った。彼は俳優を目指すのだとかなんとかで若い身空で単身東京へと移り住んでいったのだが、なんでだったかはよく覚えてないなのだけど、その後も僕との交流は続いた。

そして学校の長期休みのようなタイミングがあるとよしあきは帰郷し、これまたなぜだが僕をそのタイミングで誘ってくれて遊んだりしていた。僕があまりに友達がいなそう(ていうかいなかったけど)だったので慈悲をかけていたのだろうか。

そうした付き合いが続き、高校も卒業となる3年生の3月。いつものように休み中によしあきが現れ、このときはよしあきの実家で家飲みをしていた。メンバーは僕、よしあき、よしあきの彼女っぽいひと、よしあきの地元の友達。

久々の帰郷だし、東京での暮らしの話などもあるしでそれなりに盛り上がってきた夜半。突如チャイムが鳴った。

補足しておくとよしあきの家は父子家庭でこの日父は帰ってくる予定がなかった。だからこそのよしあき実家での飲み会だったのだ。田舎なので夜の訪問者自体が珍しい。明らかに不穏である。

しかしチャイムの主は帰る様子もなくチャイムを鳴らし続けている。怪しさに気づいたよしあきが玄関の見える窓から訪問者を確認したところ動揺しはじめた。

「やばい、おれ隠れるからいないことにして」

と脱兎の如くその場を離れて家のどこかに身をかくしてしまった。その後、よしあきの友人がドアを開け、よしあきは不在であることを告げるが信じるはずもなく、訪問者のよしあき家の家宅捜索がはじまった。ふだん本人がいない家になんで友人だけがいるのか。設定に無理がある。

訪れたのは同じ年頃の高校生と思われる5、6人のヤンキー手前くらいの風貌の集団。あとから聞いたところによるとそのリーダーとよしあきとの間で遺恨があったらしく、リーダーは常に報復してやろうと虎視眈々と狙っていたが、よしあきが上京してしまいその機会を逸していたとのことだった。窓の明かりからよしあきの帰郷に気づき襲撃を決行したのだろう。よしあきの部屋まで知ってるなら結構仲良しだったのかななんて思っちゃうけどどうなんでしょうね。

襲撃チームの家宅捜索中、ものっすごい微妙な空気であったのは言うまでもない。これ、よしあきが見つかってしまっても他の人間も殴られくらいはするかもしれないし、見つからなかったらそれはそれで鬱憤を晴らすためにそれぞれ殴られるくらいのことはされるだろうな。そんなことを思いながらひとまずよしあき、うまいことやっとくれよと祈るしかなかった。生きた心地がしない、時間の流れもわからなくなるような家探しタイム経て、襲撃チームはよしあきは外に逃げたのだと判断し、家を後にした。

ひょっこり現れるよしあき。

「よし、逃げよう!」

誰の車だったか忘れてしまったけど、転がり込むようにメンバーの誰かの車に乗ってよしあきの友達の家に逃げることとなった。その友達の家は山の上にあり、ひとなど来ないだろうからまず安全であろうという判断である。ひとの来ない山奥に住む同級生、ありがてえ。

その家は今でいう古民家のような家で、土間があったり客間の梁が立派だったりで、このあと鬼婆とか出てきて食われるやつなのではというくらいに雰囲気のある家だった。いろいろ雰囲気を楽しみたいところではあるが、飲み直そうとかそんな雰囲気でもなく、襲撃騒動で疲れ果てた僕らは倒れ込むようにその日は眠った。

明けて翌日。昨日の襲撃、嘘みたいな話だったな、というか嘘だったらよかったなとよれよれと起き出し、山を下ることとなった。家を出て、明るくなった状態で改めて周りを見渡すとほかに表現のしようがないくらい山の上の家という具合で、まんがにっぽん昔話くらい山の上の家然としていた。

天気も良く、うぐいすも鳴いている。昨日のようなことがなければこんなに心落ち着く景色もそうあるまいなーなどと微妙な心持ちで眺めたのが山中にほどよく植わっている梅の木であった。

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その後、その友人宅を後にし、地元を離れるのかなと思ったら「車洗いたいからガソリンスタンド行きたいわ」よしあきの一声でよしあきの家からそんなに遠くないガソリンスタンドへ向かうことになった。え?そんな無防備でいいの?昨日の今日なのに?という僕の思いなど全く気づかず天気の良い中よしあきは洗車に精をだしていた。おま、そういうとこだかんな。と思いはしたけどまあいいっかとそれなりに僕もくつろいだのであった。どっちもどっち。

結局その後は特になにもなく解散。よしあきも東京に戻るまで特に何もなかったらしいので結果オーライといったところだろうか。その後、その襲撃野郎とは意外な形で決着がついたらしいという話をきいたのだけど、長くなったのでそれはまた別の機会に。

 

以上が僕の中での梅から思い起こされるエピソードである。物騒だったわりにはのんきだったな。そこは今とそんなに変わらないかもしれない。

実はね、友達が襲撃される現場に居合わせたの、これだけじゃないんですよ。どういう人生だ。

ま、その話もまた別の機会にということで。

 

 

 

 

 

成長したのか、忖度されたのか

ついに…

冬が…

終わる…!!

今日は本当に暖かかった。なんなら少し暑いかなくらいの気温。これだ、これなのだよ、求めていたものは。本当に気候が穏やかになるだけで心の余裕が違う。しかしそれは生き物としてとても正しいことだろう。春の訪れが到来する度に「自分、生き物っす」と感じる。年齢を重ねてからよりその傾向は強くなったと言えるだろう。

そうは言っても今日は月曜日。仕事はきっちりある。在宅で仕事に勤しんだ。今日みたいな日、20代の頃だったら仕事をさぼってどこかに出掛けてしまっていただろうな。無頼にも程があるが結構そういう人間であった。歳を重ねるってひとに落ち着きと常識を施すものなのかもしれないですな。

そんなことは言っているが仕事中に急にエゴグラムのことで気になりはじめ、とりあえずやっとくかと久々にエゴグラムをやることにする。きっちり散漫である。

このエゴグラム、上記のような行動原理がふざけていた20代の頃にも実施してみたことがあるのだが、まあひどい結果であった。端的に言うとお前なんぞどの職場にも馴染めない社会不適合者だかんな、くらいのことは言われてたと思う。自分でもダメな人間である自覚はあったので「これからの人生どうすっか…」くらいのテンションにはなっていた。

しかし久しぶりにやってみたエゴグラム、なんだか悪くもない結果であった。そもそも良いとか悪いとかって話のものでもないのかもしれないけれど、言われていることが悪いことばかりでもないじゃないという感じだったのだ。もしかして、かつて素直に評価しすぎてひとびとを落ち込ませてきたエゴグラム氏が内容は同じようなことでも言葉を選ぶようになったのだろうか。お互い大人になったな。いずれにせよ以前と終わった後の気分がまったく異なる。「まあ、自分そういうとこあるよな」くらいのライトな気持ちで結果を受け止められた。

ちなみに結果は奔放で気まぐれだけど意外にまわりのひととうまくやっていけるようなそんな内容だった。ただし公務員や警察官、教師などの類は絶対に向かないとのこと。自覚しかない。

年月で自分が変わったのか、エゴグラムの表現の仕方が変わったのかはわからないがなんだか悪いことも言われていないので気分もよい。めでたいときはとんかつを食べるに限る。お昼ご飯はとんかつを買いに出かけた。

そうして帰ってきてプラ容器のとんかつをいざ食べようかと思ったが、さきほどのエゴグラムの結果を受けてか急に「ちゃんとしたい」という気持ちがむくむくと顔を出したためきちんとお皿に盛り付けて食べることとした。

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おー、きちんとした。ひとはエゴグラムで生活が丁寧になる。か、どうかはわからないがちゃんとしてるひとですよね?と思われているとそちらに自分を寄せに行くということはある話だろう。

春の陽気とエゴグラム、相乗効果で特に何も起こっていない月曜日がほんの少しだけ有意義になった。と考えられなくもない。という気分屋みたいなとこもきっちりエゴグラムで指摘されておりましたとさ。