普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

パンへの使命感で出社

朝、目を覚ましたら家を出る時間だった。久々にやってしまった。しかも妻に声をかけられて起きたくらいなのでそれがなければたぶん始業時間など余裕で眠ったまま迎えるところであった。ただ、こういうときこそなぜだか落ち着いているもので、「ま、とりあえずシャワー浴びるか」と謎に落ち着き払っており、妻から巻きで準備するならシャワーは省略しては?との提案があるも断固としてシャワーを浴びる姿勢を崩さなかった。何度でも言うが、朝シャワーを浴びていないおじさんは公衆衛生上好ましくないのだ。

今日は出社の日だったが、もうこの際在宅勤務に切り替えるかということも頭によぎった。いつでも在宅勤務できるように在宅グッズは常に持ち歩いている。しかしそれはできないとすぐに気づいた。

会社のデスクの上、食べかけのパンを置いたままだ。

なんということ。昨日も出社をしていてどうしても小腹が空いて買ってはみたものの何口か食べたら「なんかいまこれじゃないな」とデスクの傍に取り残されたハムマヨパンを放置するわけにはいかない。

仮に今日急遽在宅勤務としたら同じ島のひとに「あの、僕のデスクにハムマヨパンがあると思うんで処分してくれません?」などというトンチキなお願いをしなければならなくなる。そんなことになったら次回出社時から「あ、ハムマヨきた…」「ああ、あのひとがハムマヨの?」と後ろ指さされることになる。そんなことは絶対に避けたい。あと食べられる状態のものを捨てるのは単純によくない。

出社の大義は得た。出社をするしかない。急いで準備を…!とはならず、のんべんだらりと準備を続けた。なんなら途中から遅刻してもまあ別に構わんかとまで思っていた。大名か。

そんなこんなでどうなることかと思われた朝のピンチだったが、結局のところギリギリで始業時間に間に合った。まあこういうときってだいたいこんなものだ。それでいつも思うのだけど、朝なにしてんだろうなと思う。動作ごとに無意識で止まってコマ送りみたいな動きでもしてるんだろうか。かくかくのプレステ黎明期の処理落ちポリゴンみたいな朝の身支度とかむしろ見てみたいものではあるが。

このような経緯から問題のパンは出社一番で胃に収めた。朝からひとをさんざん翻弄してくれたパンは勝利の味がした。などということはなく、ハムとマヨネーズの味であった。だってハムとマヨネーズのパンだからね。凪の味です。

パンのせいで出社というくらいにはもはや仕事は家でもオフィスでもどちらでもよいくらいにはなっているのに会社は7割くらい出社させようとしてくる。素直に従えそうにないので毎日帰り際にパンを食べかけにして置いておこうかな。

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