普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

火種がひとつ減るのだよ

なんだか最近仕事が忙しい。職場のシマの長老が来月で退職するのでその仕事が僕にまわってきており、僕の仕事は女傑に引き継がなければいけないのにそれができておらず、単純に業務量が増えている。

長老はもう身体半分退職しており、新規案件などは僕に全振り、これまでであれば手をつけていたであろう案件も手をつける様子がなかったので「これ、やります?」と放置して燃える前にと僕が片付けることとした。まあ、別に嫌というわけでもないし、暇すぎるくらいならちょっと忙しいほうがいいのかな、などと思うので良いのだけど。

もう本当に会社とかどうでも良くなっているんだろうなと思ったのが、この間長老が流行りの胃腸風邪に罹ってしまったとき、初日に上司へ欠勤の連絡をした際に「明日以降、連絡がなかったら休みと思ってください」と告げ、本当にその後連絡なしに3日くらい休んだときである。退職無双にもほどがある。

ナチュラルに無連絡で欠勤する

上司も上司で「ま〜、本当に会話をしたくないんだろうねえ」というような調子だった。長老は上司のことを蛇蝎扱いしており、それを上司も受け入れてしまっているので服務規定違反ともなりかねないこの行動を看過しているのだろう。でもね、そういうところがまた長老は癪にさわるんだろうなあと思う次第です。ま、もうやめちゃうからまぜっ返すようなことされても面倒なので今のままがいいや。

来月には長老の送別会があり、上司と長老が同じ酒席に、しかも次の日からは顔を合わせることもないというひとによっては積年の思いを存分にぶつけてしまいかねないシチュエーションに居合わせることにシマの中で緊張感がはしったが、上司は挨拶だけして退席するらしい。当初上司は欠席という話もしており、それはそれで角がたつような気もすると感じていただけに、それにくらべるとだいぶ平和的な案に落ち着いたと言える。場合によって長老が送別会を固辞するのではないかなという可能性すらあったのでだいぶ軟着陸だ。

あとは当日上司が長老に余計なことを言わないこと祈るばかり。上司、悪意がないというのは汲み取れるのだけど、気を使おうとして逆に気を遣えてないみたいな物言いするんだよな。先回りして言い方を気をつけているうちに余計なこと言っているみたいな。僕もそういうところがあるので「ああ…言わんとしていることはわかるし、この点に気をつけたくてこの言い方になっているんだろうなあ…」と思うことがままある。

それにしても40年以上勤め上げた会社を退職するのってどういう気持ちなんだろう。これまでも定年退職していったひとはいたが、日常会話までするレベルのひとで定年退職するひとは初なのでその心中たるやというものである。自分が同じ立場だったら開放感よりも寂しさ、虚しさが勝ってしまいそうだ。仕事そんな好きでもないんですけどね。長老が在籍しているうちにそのあたりのことも聞いてみよう。