普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

伏せ字、誤変換に情緒の余白を見出す

「○すぞ!」

このような息巻いている投稿を見かけることがある。文脈からお命頂戴的なことなのかなと思ってしまうが、はたして本当にそうなんだろうか。

もしかして「諭すぞ」なのでは。物事の道理を言い聞かせてやる、持論を順序立てて説明してやるとの決意表明かもしれない。それは語気を強めるのも納得できる話だ。

「漉すぞ」だとどうだろうか。正気を失いかけている相手からこれを言われたらけっこう怖い。もともとの意味で言うと、かすを取り除いて純粋な成分だけにするという意味合いがあることからデトックスでもしてくれるのかなと好意的に受け取れなくもないが、これが拷問的な意味合いだったらマジで怖い。なにされちゃうの。

あるいは「致すぞ」かもしれない。何をかはともかくかなり直接的な脅威を感じる。それにしても鼻息荒いわりにはへりくだっていることに情緒不安定さがある。ふだんから優しくしてあげたほうがいいのかな。

とかね、どう考えてもお命頂戴なひとが実は直球ばかり投げてないで、ウィットに富んだ発言をしていて、咄嗟のことだからなんだか気恥ずかしくて伏せ字にしちゃったとかないかなとか考えたのだけど、5万%くらいないな。ひとが死を迎えないくらいない。

最近は物騒な言葉で相手を威嚇するとけっこうすぐに垢BANされてしまうようなので伏せ字でお気持ちを表明されているのかもしれないけど、そもそもその伏せ字に知性を感じないと言うか、わざわざ伏せ字にしてまで言いたい言葉か?とまで思ってしまう。垢BAN逃れわざわざに伏せ字にしているあたりちょっと冷静だし。「麦茶吹いたわwwwww」で画面の向こうは真顔の逆パターンだろうか。ネットって深いなあ。

麦茶吹いたわwwwww(真顔)

こうした言葉遊び的なものが好きで、ふだん仕事で文章を打つ際の誤変換なども場合によっては楽しんでいたりする。会社のかんぺいちゃん(声が間寛平に似ている)の取引先へのメールで「よろしくお願いします」と打たなければいけないところを「夜エロしくお願いします」と打ったのも味わい深さしかない。正々堂々なんてお願いしているんだ、かんぺいちゃん。

誤変換ものでいうと、この間「乗っ取り屋」について検索する機会があって、「のっとり」を変換しようとしたら「則り」と変換されたことがある。すぐに訂正はしたものの、「則り屋…か…」と架空の存在に想いを馳せた。則り放題則りまくるのである。めちゃくちゃ真面目なんだろうな。真面目を通り越して付き合いづらさすらあるよね、たぶん。なんでもかんでも則らないと気が済まないわけだから。堅物め。本来の乗っ取り屋とはまるで逆だ。

ちなみにそのあときちんと乗っ取り屋の情報にたどりつき、乗っ取り屋の狡猾さ、えぐさ、倫理観のなさを堪能したことをご報告いたします。

基本的にどうでもよいことばかり書き綴っている当ブログだけれども、今日はとりわけどうでもよい。でもこういう話をお酒飲みながらできるのがよかったりするのでもう誰か時間を一緒にどぶに捨てましょう。