普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

予定外に過ごすという最適解

職場に仲良くしている定年派遣おじさんがいる。お酒が好きで月に数回は飲みに行っていたのだが、最近はめっきりその機会がなくなってしまった。それというのもおじさんと僕の出社のタイミングが鮮やかなまでにずれており、顔を合わせることがなかったのだ。

しかし、昨日久しぶりにそのタイミングが合致した。以前に会ったタイミングをきちんと思い出してみたら3月末。今期初である。このペースでいくと年に4回くらいしか会わない。季刊誌発行くらいの頻度だ。

まあ、お互い在宅勤務のタイミングをもっとずらせば普通に出社の日がかぶるのだけど、僕、おじさんともにそれをしないあたり、年齢は違えど末っ子のマイペースさが出ていると思う。

普段であればおじさんから「じゃあ、行きますか」と飲みに誘われるのだが、ここのところ子が生まれたことによりその機会を作れなかった。久々におじさんと会うし、妻にはあらかじめ話をして昨日は飲みに行くことについて了承を得ていた。

「ひさびさですし飲みに行きましょう!」

「悪い、予定びっしりだわ。」

ふつうにフラれた。なんだろう、自分のことを好きだと言って追ってくれるひとにいざ振り向いたら「や、そういうんじゃないんで」と言われた気分だ。かなC。というか飲む気満々で出社してきたのにあてがはずれてしまった。めちゃくちゃモヤモヤする。

そうは言ってもここからリカバリーできるほど職場に呑み人脈はないのでおめおめと帰ることとした。帰りの電車の中でも「せっかく飲みの申請が決裁されてるのにこのまま帰るのか…」とやはり心が晴れない。

家にたどり着き妻にやはり飲みに行きたい旨を伝え、行きつけの飲み屋に行って良いか再度打診する。家のこと、子のことを落ち着かせてからなら可との回答。神。女神がおる。

課せられた条件をクリアし、いざ行かん!というところでどう考えてもゲリラ豪雨的な量の雨が降り注いでいることに気づく。ふだんであればきちんと雨が止むのを待つし、下手をすれば行くのが面倒になって予定をキャンセルしたりするが、昨日は行動指針が完全にお酒だった。折れない心で豪雨の中行きつけのお店への行軍を敢行した。妻にも止められたがちょっとムキになっていたところはあると思う。

到着した行きつけのお店。以前飲みに行った時に意気投合した女性がおり、昨日もゆるく話し、杯を乾かすなどした。

ほどよく飲んだところで最近のお店での出来事などを聞く。僕は最近あまりお店に行けてなかったながらも、どうもちょっとした人間関係のトラブルがあったのだろうなと予測しており、機会があれば確認でもしてみようかなと思っていた。

が、話を聞いていると彼女は当事者である模様。さらに話を聞くと当事者どころか爆心地であった。現場に僕がいたら消し飛んでしまうところだった。あぶないあぶない。酔客同士のトラブルと言ってしまえばそれまで。深入りすると僕まで爆死する。関わらんとこ。

その後も常連が出入りし、素晴らしく中身のない話で盛り上がると言う実のある時間を過ごした。平日であるのにうっかり日付が変わるまで飲んでしまった。

しかし昨日は飲み方が良かったのか酒量が適切だったのか、かなりきちんとした状態で帰路につき、今日もびっくりするほど颯爽と仕事に取り掛かることができた。ちなみに、家に帰ってから飲み足りなくて1杯飲んでしまい、「ああ…この1杯を明日後悔するのかな…」と、わかってんなら我慢しなよとしか言いようのない行動をしていながらの今日だったのでなおさら気分がよかった。お酒との付き合い方、かくありたいものである。

職場のおじさんと飲みに行けなかったのは残念だったけれど、結果的に行きつけのお店に行き、噂の爆心地を知ることができたので結果オーライ、むしろ昨日はあれが正解だったとすら思える。ちょっとコロナ前の雰囲気すら感じてしまった。またそのような良き夜が訪れるとよいな。

珍しくて頼んだブランド銀鮭「銀王」。めちゃくちゃうまかった。

ところで、昨日はひたすらいも焼酎を飲んでいた。このだいやめ、ロックで飲むとフルーティーでいも焼酎ではないような香りがしてひたすら飲める。おすすめです。