普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

アイコン化できない方々

ずるずると汗ばむような日が続いていたが、ついに暑さの勢力も力尽き果てたか。昨日、今日と肌寒い。今日なんて家の中にいながら肌寒さを感じたので上着を羽織っていたくらいだ。いよいよ秋も深まってくるのかとお尻の穴をキュッとしめるような気持ちで気も引き締めることにする。

そんな悲しみの秋の始まりを感じた昨日、数少ない出社日で朝も早くから駅に向かっていた。

駅前に広場があるのだけど、時間を問わずたむろしているひとがわりといる。たむろと言えば若者と考えるだろう。しかしたむろの常連はほぼおじさんだ。歳の頃でいえば還暦手前ほどだろうか。

夕方以降の時間帯であれば仕事後に仲の良いもの同士で酒でも飲んでいるのかなといった具合だが(今の状況的にそれも微妙だけど)、なぜか昼でもいる。それどころか僕の出勤時間である早朝の時間帯でさえいるのだ。

一般的な会社員ではないことは見た目から推察できるが、かといってホームレスという感じでもない。謎多きおじさんたちだ。この間なんて座椅子とちゃぶ台持ち込んでたからな。すぐなくなったところを見るとさすがにあれは注意をされたか。

昨日はグループのひとりが

ジョン・F・ケネディのFってなにか知ってる?」

と、しきりに発していた。いかにも「え、なに?」と聞いて欲しそうだったのだけど、他のおじさんたちは興味がないようで完全に無視であった。

しかしあまりにも何度も言うものだから僕も気になってくる。とはいえ会社にも行かなければならない。言え、早く言ってくれ、信号待ちの間に言ってくれ!と思ったところで

「Fはよう、フィッツジェラルドのFなんだよ〜」

しびれを切らして聞かれてもないのに自分でケネディのミドルネームを披露していた。もちろん周囲のおじさんたちは無反応だ。

へー、とは思いつつなんか疑わしいなと思って調べてみたらちゃんと合ってた。疑ってすまん、おっちゃん。

ひとつ賢くなったところで会社へ。緊急事態があけ、出社率が少しあがったことで久々に会うひとたちへとあいさつなどをする。毎日働いて連絡もとっているのに久々に会うというこの状況もちょっと前から考えればなかなか特殊だ。でももう在宅勤務基準で生活しているので今さら毎日出社とか無理だ。勤め先はすぐ来させようとするのだけど。

昨日は定年嘱託おじさんも出社だったので、朝のうちからお昼を一緒に行く約束をし、挙句今日は飲みにいっちゃいますかーというここ数ヶ月口にしたくてもなかなかはばかられる発言まで飛び出した。当然乗るわけだけれども。

お昼は焼肉屋のランチ。最近めちゃくちゃ焼肉屋に行きたかったのでいろんな意味での飯うまランチであった。

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お腹も満たし、午後の仕事は飲みに行くための定時ダッシュに照準をあわせたものとし、終業時間が近づくにつれて少しずつ店じまい。小売店なら閉店30分前にはシャッター反閉めくらいの感じで、周りにも終わるんですよ、のアピールをかかさなかった。

そして訪れた至福の時。家で飲んでる時のほうが良いお酒は飲んでいるのだけど、やはり外での飲食はテンションと心構えが違う。何より酒を酌み交わしながら話ができるというのは幸せなことだ。

コロナ禍もまだまだ終息には程遠いので今後も気を引き締めていかなければとは思うものの、束の間の中休みと思ってほんの少しだけ楽しみたい。

上記の通り今まで通りとはいかないまでにしても、長いこと休業していたお店が再開していたりして、状況がよくなってきたように見えるというのは精神衛生上結構効果がありそうだなと感じた。

これからくるであろう再流行の際も店を全部閉じてしまうのではなく、それ以外の方法を模索していけると「いくわけではないけど飲み屋がやってないとなんかくさくさする」というのを回避できるので僕自身もなにか考えていきたい。

いっそ家を店のようにするというのもひとつの手なのかと思ったがめちゃくちゃ怒られそうなので忘れることにします。