普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

月曜は乙女心おじさん

在宅勤務が定着してからというもの、月曜日は9割方出社をしていない。というよりも断固として出社をしたくないというマインドでやらせていただいております。

それというのも土日で透析を2日間実施しないので身体に水分がたまりがちで顔がむくむのだ。むくんだ顔でひとに会いたくない。乙女心おじさんが顔をのぞかせる。乙女を心に抱え、もそもそと家で働きさっさと透析に赴き無駄な水分を抜き取って心の安寧を得る。そこからを本当の週の始まりとするのがコロナ以降の働き方となっていた。

しかし今日は誠に遺憾ながら出社をしていた。たまに繰り出される上司からの強制出社通達があったためだ。普段はミーティングのためとかいうわりとどうでもいい理由で出社指示がくだされる。そんなんオンラインでじゅうぶんでしょうにと最近はミーティングくらいでは出社しないというふてぶてしさ全開のリアクションで乗り切っていた。

今回もそれで乗り切ろうと思っていたのだが、なにやら今度始まるわりと手間のかかる案件のキーパーソンが来社するとのことで、打ち合わせに僕も招かれてしまったのだ。ぐぬぬ、これは行かない理由をこさえるのに難儀するぞと面倒なので出社した。心に乙女を潜ませたままな。

出社はしたものの、年末であるこの時期にあまりがつがつと仕事を進めるのは自分にとっても取引先にとってもあまりよいこととは思えないので掃除をすることで出社の意義を見出すことにした。どう考えても必要のないけどなんだか捨てられずにいた紙資料が至る所に保管されているので引導を渡しまくった次第である。書類の立場からしてみたらデスクやキャビネットでひっそり暮らしていただけなのに、いきなり現れた小男に無理やり引きずり出され、有無を言わさずシュレッダーにかけられまくるわけなのでシリアルキラー、もしくは大量虐殺に等しい。乙女心シリアルキラーおじさん爆誕と相なった。でもまだ片付けきれてないので明日もじゃんじゃん書類どもを葬り去ってやる。

そうこうして乙女心とシリアルキラーを行ったり来たりしているうちに打ち合わせの時間に。予想はしていたことだけど、あたしゃここにいる必要ありますかねえという内容であった。まあ、打ち合わせの内容どうこうより、顔をつなぐという意味合いでの同席だったのだからそんなものなのかもしれない。途中めちゃくちゃ眠くなる程度には僕の存在は空気であった。

長かった打ち合わせも終わり、空気から実体となり自席へ戻る。上司的には打ち合わせにだけ出ればあとは好きにしてよいと言われていたのでその言葉を額面通りに受け取って時間休をとり帰ることにした。こういうときは変に空気など読もうとせずに勢いで乗り切るに限る。

よーし、とっとと透析に行って乙女にはお引き取りいただこう。足早に電車に乗り、最寄駅のひとつ前の駅でドアが閉まる瞬間に自分の乗っている電車が中央特快であることに気づく。いや、厳密には乗るときには気づいていた。それで「気をつけないとな」と思ってはいた。思ってこの体たらく。思ってないのと一緒である。

ぐいぐいと最寄駅から遠ざかる。快速とかの中でももっとも景気良く駅を通過していく電車であったため、ちょっとしたお出かけくらいには乗り過ごした。

せっかく早く帰って、早く透析を終わらせようとしたのに…こういうとこあるんだよな、となんかもうやるせない気持ちになりとぼとぼと透析クリニックに到着し今に至る。

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なんとなくの心象風景。

 

やはり月曜に出社などという慣れないことをしたものだからよくないのだ。これからは月曜乙女心おじさんとして断固として月曜日在宅勤務を貫いていこうと思う。