普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

こうしている場合じゃない。模様替えだ!

今週のお題「サボる」ということである。

サボりと聞いてまず思い出すのが高校時代で、病気にかこつけてそれはもう授業をサボり倒していた。実際のところ別に具合が悪かったということは一度たりともなく、まじりっけなし、純然たるサボりであった。

もしかしたら別に具合が悪くないということくらいは学校側も気付いていたのかもしれないのだけど、病気のことは学校側に伝えていたので「お前仮病だろ」とは言えない空気にはなっていた可能性はある。

病気なのはこの際仕方ないし、そのシチュエーションを使えるのならガシガシに使ってやろうという変なたくましさを発揮していたものだなと思う。転んでもただでは起きん。とはいえサボり方のバリエーションは風邪気味一辺倒でだった。雑にもほどがある。

当時はまだ水銀体温計が使われていた時代で、水銀体温計は細工をするとよい塩梅に微熱を演出できるため、37.6℃くらいの「大事をとって早退するのがよいよね」という方向にもっていきやすかった。あの当時の水銀体温計での体温調整のイカサマの腕はかなりのもので、アメリカでおばあちゃんがパイを完璧に焼き上げるタイミングを熟知しているかのごとく狙い通りの数字を叩き出していたものだ。

 

サボりを繰り出すには自分の中で条件があり、それは天気がめちゃくちゃ良い日に限られた。授業を受けながら窓の外を眺めているうち「こんなに天気がいいのに授業なんぞ受けている場合ではない!」と衝動ともいえる勢いで保健室に駆け込んでいたのだ。やってることは体温計の温度ちまちま調整するだけなのだけど。

そうして検問を突破し、バスに乗り午後の日差しを浴びながら家路につき、何をするかというと部屋の模様替えだ。

要約すると、僕は天気が良いと学校にいる場合ではないと感じ、天気の良い中猛烈に模様替えがしたくなるタイプの人間だったということだ。タイプっていってみたもののそんな分類おそらくない。

家に着いたらその場で家具の配置を即興で考え、思いつくまま再配置していく。そのときのBGMはもちろんメタルを爆音だ。もっというならインペリテリとかだ。模様替えが済んだら長髪パーマになってそうな空間でご機嫌に、かつ雑に模様替えに勤しんでいた。

今考えればなめた姿勢で学生生活にのぞんでいたものだなとは思うが、友達もいなかったのにそれなりに楽しくやれてたのはこういうマイペースなところがあったからなのかなと思ったりはする。

まあ、そのなめた姿勢でバンバン早退してたら1年のときに移植のための入院が決まってしまって出席日数が足りなくなって留年してしまったのだけど。

それでも2回目の1年生となっても卒業まで、晴れた日には早退をし、模様替えを繰り返していた。ちょっとは懲りろ、当時の僕よ。

 

その後、上京をしたあとも早退してまでということはないにしてもしょっちゅう模様替えをするという癖は続いていたのだけど、妻と出会った頃にはだいぶ落ち着いていたと記憶している。

部屋の模様替えをするとなんだか自分の部屋じゃなくなったみたいで自分の部屋を好きになりなおすみたいなことないですかね。最近では模様替えは「だるい作業」になってしまいつつあるのがちょっと寂しいところはあるけれど、当時の感覚でなめた態度で唐突な模様替えなどをしてみたいなとも思っている。

 

さすがに当時の写真はないので実家近くの「ザ・地元」な写真を載せて当時を懐かしんでみようかというところでまた次回!

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