普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

インターネットをもっとも謳歌した世代はいま40前後のひとではないかと考える

僕らの世代は、いまこの時代を生きているひとびとの中でも最もインターネットというものに思い入れがある世代なのではないだろうか。

そういう僕はいま41歳で、インターネットに触れたのは20歳頃だったと思う。僕の年齢の上下2、3歳くらいが上記の思い入れ強め世代と考えているのである。

というのも、特にギークでなくともインターネットというものに触れられるようになったタイミングと、どぶに捨てるほど有り余る時間が揃っていた世代だったのだ。

いわゆるインターネット黎明期に最も時間を割くことのできた世代であると言えるのである。

はじめてインターネットに触れたのは友達の家のPCで、作業効率を向上させるマシンとしてではなく、おもしろインターネットを楽しむエンタメよりのものという認識であった。たしかそのときは「あなたの値段鑑定します」とかのサイトでキャッキャ言ってたな。あの頃感がすごい。

またあるときは当時のバンドのメンバーの家で某巨大掲示板の存在を知り、さまざまなカオスフラッシュ作品を見あさっていた。混沌としていながらもどこか牧歌的なフラッシュアニメ群もやはりエンタメであったといえるだろう。

単純にぼくが知らなかっただけなのかもしれないけれど、その当時のインターネットは今のように生活の便利さに直結するような技術が確立されておらず、せいぜい調べ物をするくらいが便利な使い方だったと思う。その調べられる範囲というのも今と比べて情報量は圧倒的に少なかった。だって当時的にいうとPCのホームページがあると「しっかりしてるな!」と思うくらいだったので。

そういうこともあり、僕の中でのインターネット黎明期のネットへの印象は「センスのあるひとがふざけ倒すところ」で、それを周りがやんややんやと騒ぎ立てながら悪ふざけが加速していっていたというイメージであった。

言ってみても僕はそちら方面にそこまでどっぷり浸かっていた方ではなかったのでこのあたりの話に関してはディープなひとはどこまでもディープな話が出てくると思われる。

PCを持っていなかった当時の僕のインターネットといえばガラケーiモードにつないで魔法のiらんど前略プロフィールとかだったからな。進化の段階で言ったらようやく土器で煮炊きをするようになったくらいのネット文化レベルであった。

 

それから数年が経ち、2000年代中頃、個人でホームページを運営する個人サイトが乱立するようになった。基本的にはいまでいうところのブログのようなものがあって、オフ会を、やって、というようなものだったのだろうと思う。僕は読むの専門なので詳細まではわからないけれども。

いまこうして書いているブログというのも、その当時の影響を多分に受けているという自覚がある。というよりも、そっちに寄せているかんすらある。補足しておくと当時でいうところのテキストサイトですな。

今どきほぼ文章だけで見出しもつけず、企画性も大した情報もないようなブログそんなにないんじゃないかなと思う。このブログのいなたさというのは根本にそういった気持ちがあるからなのだ。なんだか言わんでいいこと言った感すごい。

特に読んでいたのはNUMERIで、ひとつの記事がとにかく長く、当時働いていたデスクワークのバイトで仕事中ずっと読んでいた。仕事そっちのけで。というか家にPCもなかったのでNUMERIを読みに出社していたといっても過言ではなかった。テキストサイト読みまくって時給をもらっていたのだからとんでもない就労状態だったな。

 

インターネットが現代らしくなってきたのはいつ頃なのだろうかと考えたとき、それはやはりSNSとネット通販が不便なく利用できるようになった頃からということになるだろうか。

それに追随して各種サービスがネットで完結できるようになってさらに生活密着のものとなった。

かつてのエンタメ色の強い使い方というのはふたたびディープなユーザーのものとなっているのかもしれない。

 

僕らの世代は多少の違いはあれど、上述のような体験をしてきたひとというのは少なくないだろう。

もっと下の世代で言えば物心ついた時にはインターネットは整備されていただろうし、もっとうえの世代では「好きなひとがやるもの」くらいの印象だったのではないだろうか。

こういったことから僕らの世代はインターネットへの憧れと期待がもっとも強く、思い入れの強い世代と考えているというわけである。

 

思ったよりまじめに書いたな。このまま終わるのもなんなのでよくわからない40歳以上のイメージイラストをあげとこうと思います。

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こういうの適当にあげたりできたりするのも今のインターネットのよさかな、なんてそれらしいことを言ってみる。

 

はてなインターネット文学賞「わたしとインターネット」