普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

お金がない=不幸ってことではないんだよな

Twitterでこんな記事を見かけた。

いわゆるネタ記事で、「いやー、わかるー」と半笑いで読むような記事なのだと個人的には思うのだけど、リプ欄がなかなか地獄だった。

・金欠になる意味がわからない

・金欠になるやつが悪い

・そんな金銭感覚してるやつ終わってる

等々、マジレスというか、「そこじゃない」感のあるリプ盛りだくさんだったのだ。でもこれが今のTwitterをあらわしているなと言われればそうだなというリプ欄である。日常会話でこの流れで会話しているひとがいたらヤバすぎると思うのだけど、実際のところどうしているんだろうか。日頃の鬱憤をここで晴らしているのだとしたらそれはそれで闇が深い。

僕はと言えば、この記事を読んで「ああ。そうだったよな…」と遠い目になってしまったよ。特に物を食べない、売れるものは売るなどは本当にしていた。ものを売っても記事にもあるように二束三文で買い叩かれてしまうのだけど、その日をなんとか凌ぐために心の中で大粒の涙を流しながら大切な漫画、CD、ゲームをお金に換えていたのだ。だいたい手放したことを後悔するのであまり物を売ることはなくなっていったけれども。そうしてより「食べない」が顕著になっていき栄養状態のよくないバンドマンが出来上がるのであった。

そもそも漫画やCD、ゲームなどはその当時でも売れる先というのはあったけど、今みたいにメルカリみたいなものがあるわけでもないのでなんでもかんでも売れるわけではなかったというのも貧乏を加速させていた理由かもしれない。

いや、嘘。言い訳してしまいました。その当時の僕は親でも殺されたんじゃないかなというくらいに勤労を憎んでいたのでとにかく働いていなかったというのが一番の理由だ。働きなさいよってな話である。

たぶん、この記事で触れられている話というのは勤労意欲がちょっと信じられないくらい低いひとが対象なのかもしれない。そう考えると冒頭で触れたようなリアクションをするひとたちがまた別次元で生活しているというのもおかしくない。地獄のような思考をしていたのはかつての僕だったのだ。みなさんしっかりしてらっしゃる。

ちなみに記事には暇な時間はインターネットでやりすごすという事も触れられているが、僕が貧乏していた当時は今ほどインターネットが整備されている時代ではなかったので、お金のないときの過ごし方といえば散歩して過ごすことが多かった。これに関しては今も好きなので悪くない過ごし方だったと思うし、それによる色々な発見もあったのでよかったのかなと思ったりはする。めちゃくちゃポジティブに言えば街ブラ的なことですからな。街ブラ定番のコロッケを買うのも躊躇するくらいにお金がなかったけど。

結局のところきちんと働いて、折り目正しくとまではいかないにしても食うに困らない程度の生活はしなさいよという話ではあるのだけど、当時はバンドができていれば割と楽しんでしまっていたのでお金がないこと自体はそんなに深刻でもなかったかもしれない。もちろんお金があればあるに越したことはないのだけど、そこにこだわりすぎるほど気にしていなかったように思う。貧すれば鈍するを地でいっていただけという説もあるが。

こういうとバンドマンみんな貧乏生活して当たり前みたいな感じになってしまうかもしれないけれども、当然そのようなことはなく、金銭感覚がしっかりしてるバンドマンも多くいる。そういうひとがバンドあがった後に会社とか興していくのかもしれない。

あまりいないと思うけど将来バンドマン生活をしたい、する予定のあるひとにひとつだけ言っておくことがあるとすれば、下手にフリーターでいるよりも大きな会社に就職してしまった方が時間もお金も融通がきくので活動の幅は広がる可能性あるよという結論に至ったということだけお伝えしておこうと思います。僕は僕の人生を後悔しているわけではないけど、その手もあったなと経験に基づく意見として。

では最後、本日の味わい写真でお別れとなります。また次回!

散歩ばかりしているとこういう味わいを見逃せなくなる