普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

感覚のアップデートによって「おいしそう」は増えていく

ここのところの休日の朝ごはんは妻に作ってもらっている。寝起きが良くない+おなかが空いていないとなかなか朝食作りに取り掛かることができないという僕に変わってご飯をつくってくれるのだ。なんとありがたいことか。

そんな妻の朝ごはんシリーズ、最近はエルビスサンドを作ってくれることが多い。

f:id:takian2000:20210524190704j:image

エルビスサンドについては前にも触れたことがあるのだけど、ピーナツバター、果実のジャム、ベーコン、バナナを挟み込んだハイカロリーの権化といった献立である。こういった躊躇のない食べ物はやはりおいしい。世の中そういうふうにできてると思う。サンドイッチ界の二郎といっても過言ではないだろう。

休日の朝ごはんに食べるということでなんとか罪悪感も相殺できていると思う。ほら、休みの日は色々活動的になったりしますから。

それにしても、こいうった食べ物は以前の僕だったら敬遠してしまっていた食べ物なのかもしれないと思ったりする。

いわゆる「おかずに果物いれるな派」としての考えがあったからだ。今ではすっかり肉などと果物の相性の良さというものを受け入れ、様々な組み合わせを許容できるようになっている。それどころか積極的に合いそうな組み合わせを考えたりもするようになった。肉にベリー系のソースを合わせてみたり。

なんでもそうなのだけど、こういった組み合わせを最初に考えたひとというのは尊敬する。経験則で考え出すというのはまだ理解できるが、なにも下地がないままいきなり肉や魚と果物を一緒に食べようと考えられるかどうかというところだ。

もしかしたら最初はこっそりひとりでやってたのかもしれない。周りからは悪食扱いされ、悪食という引け目からバレないように内緒の組み合わせとして。

「いやー、これいいんだけどなー。でもさすがにみんなに言ったら引かれそうだし、ひとりでこっそり楽しも。」といった具合に。

そうしてある日打ち明けるのだ、実はハンバーグの上にパイン乗せて食べていますと。

これがパインバーグステーキが周知されたきっかけだ。

言い切る心の強さが大事かなと思ってみたが、あまりに無理があったことをお詫びいたします。そんな事実はないと思います。

いずれにせよ、味云々というよりもなんとなくのイメージでおかずへの果物へ拒否感をもってしまっているひとというのは少なくないと思う。食に対して保守的なひとほどたぶんその傾向は強いだろう。

でもそういうひとにこそぜひ一度試していただきたいのが今回のエルビスサンドだ。エルビスが食ってたんだから間違いない。そういう大船感を感じながら食べれば不慣れなものもいけると可能性がでてくる。

あとはあれだ、イメージして欲しい。土井善晴先生がおかずのクックキングでエルビスサンドを作る姿を。

「おいしいもんをはさんでるんですからね、まずなるわけがないでしょう」

ほら、とたんに行けそうな空気が出てきませんか。おかずのクッキング(本のほう)の真ん中過ぎくらいに載ってそうな雰囲気出てききたんではないだろうか。

イメージをもってイメージを制すのだ。何をこんなに必死になっているのか自分でもよくわからないが、世の中あれこれ珍しい食べ物が自分の手元に回ってきやすい環境ができるといいなと思っているからこそなのかもしれない。

今イケるんじゃないかなと思っているのは赤身の刺身にオレンジをあわせるというものだ。

もしかしたらもうあるのかもしれない、この組み合わせは。

おすすめの果物との組み合わせレシピご存知の方がいたらぜひ教えてください。