最近はなんのために出社をしているかと問われれば、紙をさばくために出社していると断言できる。仕事上、というか社内のシステム上どうしても紙を出さなければいけない処理があるのだ。
昨日もそのために出社をして、現代とは思えないくらいに紙と戯れた。千枚超えてくると根本的なやり方を見直したほうがよいなと切実に感じた。ひとりでやるような量じゃないのですよ。
勤め先では建前上だかなんだかわからないけれども、一応DXだなんだと声をあげはじめているようなのでそこにのっかって少しでも自分の仕事をやりやすくする方向に持っていきたいと考えている。ほんとはそんなことするような立場の人間ではないんだけれども、言えちゃいそうだから言ってしまおうというハラだ。
そんな昨日の出社時、天気は微妙ながらも雨もギリギリ降らなそうだったので待望の一蘭に行ってきた。オフィスから少し距離があるので行くかの判断に天気も大きく関わる。
一蘭といえばなにはなくともこれだろう。
これぞ本物。味集中カウンターここにありである。そこらのにわかとは違う。
ひとつの枠内に箸、おしぼりのみならず、給水口までついているのは他店と一線を画しているといえるだろう。なんだか押し入れの中に作られた秘密基地に入り込んだみたいな感覚になる。ダメ押しで余白に貼られた掲示物だ。さらに一蘭の世界へと引き込まれるひともいるのでしょうな。僕はそんなでもなかったけど。
で、ラーメンがこれ。
まずきちんといっておくと、おいしかった。もう随分前に食べた時よりも格段に美味しく感じたのだ。以前に食べたシチュエーションは徹夜でレコーディングし終わった後で、すぐにでも帰りたいという気持ちと、とりあえずラーメンが食べたいと気持ちのせめぎ合いのときに食べたのであまり良さを感じきれなかったのかもしれない。
それを考えると昨日は万全のコンディションだったのできちんと味わうことができたのだ。僕の中のベトコンラーメンであったということである(ちがううえに諸説あります)。
驚いたのは値段だった。980円なのである。この手のラーメンと考えるとだいぶ責めた値段だなあと思う。
単価を上げることで手のかかるお客さんを遠ざけるという意味合いもあるのかもしれないが、僕の二つ隣の席のおじさんがまだ片付けされていないカウンターにすわり、小銭を落としてずっと探していた。少なくともぼくがラーメン食べている間は探していたと思う。
商品の単価で客層を操り切るの難しいということか。まああの小銭おじさんも迷惑かけてたかというと別に迷惑ということででもなかったのであれでけっこうアカデミックなひとだったのかもしれない。
一蘭は店舗内で一蘭がどれほどコロナ対策を熱心に、細かに行っているかを店内放送として流しており、すごいのだなあと思う反面、あんまり言い過ぎるとかえってうさんくささがでるなとも感じていた。
何かに似ているなと思ったら深夜のテレビショッピングっぽさがあったのかもしれない。商品を良いものと説明しすぎていて、ほんとに?となるやつだ。めちゃくちゃ期待して購入していざ手元に届くと「こんなもんだったか…」となるやつである。
いや、一蘭はしっかりしているだろう。そうに決まっている。そうでなければ一蘭らしくないではないか。
などとそう行ったこともない一蘭の肩を持ちたくなるのはラーメンに満足した証拠だ。
一蘭はとんこつラーメンの中でも上品な部類に属すると思う。これはこれでよいし、おいしいと思うのだけど、しっかり臭くて実家にいる頃一緒に暮らしていた犬の目の近くの濡れたところみたいなにおいのするパンチの効いたラーメンもまた好きなのだ。
いま狙っているお店がどうやらそれに近そうなので近々行ってご報告します。