普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

今ご飯で揚げパン出されたら泣いちゃう

久々にお題でもと確認をしてみたら「好きだった給食メニュー」の文字が。最後に給食を食べたのはもう30年以上前になるので記憶は曖昧ではあるが、思い出される献立はやはりある。

麻婆豆腐風の何か、みかんの入った酢の物、ミートソース風のもので食べるソフト麺、そして揚げパンだ。この中でも揚げパンに関しては明確に楽しみにしていたといえるだろう。その他の献立に関しては今食べたら「え?これってこの感じで合ってる?これで完成?」と問いただしてしまいそうな食べ物だったような気がする。なんだか料理人のセンスって感じの食べ物ではなかったな、今思えば。

独特すぎる献立の話は置いておいて「好きだった給食メニュー」の揚げパンだ。誰もが知っている食べ物だと思っていたのだけど、妻に聞いたら給食に出たことはないらしい。地域なのか、年代なのかはわからないが知らないひともいるかもしれないので一応説明しておくと、コッペパンを素揚げしたものに砂糖をまぶしたものだ。しかも暴力的な量の砂糖を。この年齢になってみると提供されたら卒倒してしまいそうな一品ではあるが、子どもはまあ好きだろうなというのは納得できる。

ウィキペディア「揚げパン」の項目より転載

掲載した写真はまだ上品な方で、実際に給食に提供されていた揚げパンはワックス塗りたての床以上に見てわかるくらい油でテカっていた。恐ろしい。しかもこれを主食として何かしらのおかずを食べていたのだから食事としてどうなってんだという話である。

でも考えてみたら油と砂糖で摂取カロリーを底上げするということも考えての結果がこれだったのかもしれない。と、思いウィキペディアを読んでみたところ、休んだ児童にパンを届ける際、保存が効き、時間の経過したパンを食べやすくするために加工したと書いてあった。具合悪くて休んでるのにめちゃくちゃ油っこい暴力的な食べ物を渡されて果たしてその児童は素直に喜べていたのかが気になるところである。

書いていて思い出したのだけど、揚げパンには亜種が存在しており、調理方法等は一緒でありながら色が緑色の「うぐいす揚げパン」が提供されることもあった。要はまぶされるものが緑なのでうぐいすとしているわけだけれども、あの緑の、なんだったんだろう。今調べたらうぐいすきな粉だそうで。給食のとき口にしてそれ以来口にしていない食べ物ランキング1位にグイグイ躍り出てきたぞ、こいつは。素揚げしたパンに緑色のきな粉をまぶそうとしたその発想には脱帽だ。こうして30年以上経った今も脳裏にそのイメージは焼き付いているわけなので。ちなみにうぐいす色の元となっていると思われる鳥のうぐいすだが、実際は緑じゃないとのことだ。とんだ濡れ衣である。

揚げパン、すごく好きだったなという記憶は確かにあるのに、こうして思い返してみると今食事として提供されたら真顔になってしまう食べ物でしかない。「これを…食えと…?四十路に…?」めちゃくちゃナチュラルに口をついて出てしまいそうだ。怒っているとかではなく、単純にどういう気持ちでこの油に浸った炭水化物を提供してきたのかを聴取したくなると思うのだ。なんだかもう食べ物としての構成に恐怖を感じませんか。これもひとつの老いなのだな。

揚げパンについては思い出してみると「あれ?おかしいな…」という結果になってしまったが、もしかしたら逆に今食べたらありと思える献立も存在するかもしれない。冒頭で触れたように酢の物にみかん(缶詰)が入っているのとか全然意味がわからなかったけど、今ならそういったおかずに果物を入れるという行為も一定ラインで納得できるものがある。

ま、ご飯出してもらっておいてつべこべ言うなって話ですよねといえばもうそれは反論の余地はないわけでして。みなさまにおかれましてもよき給食思い出しタイムを過ごされますようお願いいたします。

それではまた次回🍚

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