普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

聞いたこともないよくわからない骨を折ったときの話

酒に酔ってなにかしらをやらかすというのは酒飲みとして恥ずべき行動である。

僕の場合基本的には酔えば酔うほどにへらへらするだけなのでお酒を原因とした自分由来での人間関係のトラブルというのは今までにない。

しかし全体的にやらかしたことがないかと言えば恥ずかしながらそうもいかない。

今週のお題「告白します」ということなので、懺悔的な感じでここに記して再発防止に努めようかと思う。

僕ね、基本的には酔って上機嫌で眠くなるだけなんだけれども、足にくるんですな。最近はそうでもないのだけど、以前は酔ってよく転んでいた。しかもちょっとすりむく程度でなく、膝にカルデラできたんかというくらいには大胆かつわんぱく過ぎる傷をこさえていた。

あれね、不思議なもんでばっかーって大きく傷が出来ているのに服には穴があいたりすり切れたりしていないのだ。どういうメカニズムで怪我をしているのかいまだに謎である。

そういったことで志村けんのバカ殿様の放送間隔くらいで怪我をしていたわけなのだけれど、言ってみてもすり傷だ。放っておけば治る。傷自体も普段会社で半ズボンはいてるわけでもないので言わなければバレるものでもない。ましてや酔ってこさえた傷などとは。

しかし、骨を折るなどとなってくると話は別だ。

ここからがいわゆる告白タイムとなります。

とある年の年末の大晦日の夜、いきつけの飲み屋のマスターと常連客とだらだらと飲みながら暮れのひとときを楽しんでいた。その後、マスターが年越しの準備を自分の店でしたいからと行きつけの店に場所を移して少しゆっくりした後そのまま行きつけの店で年を越した。

僕は元日の朝に実家に帰る予定としていたので年越し後早々に店を後にし、自宅マンションへ。

当時住んでいたマンションは4階建て、エレベーターなしという物件だった。この日はそんなに酔っていなかったし、これ以上酔っているときでも這うように自宅へ到着していたので油断していたのかもしれない。1階から2階にたどりつく瞬間、手すりをにぎって遠心力で機嫌良くエレガントに階段を登ろうとしたその刹那。

舞った。明けたばかりの元日の夜空を。エレガントに。

まずい!と思った次の瞬間には1階の床にうつ伏せになっていた。どう落ちたのかはあまり覚えていないのだけど、とっさに手をつくことで大怪我することだけは避けることができたようだった。

しかしそのついた側の手のひらから手首あたりが痛い。当たり前と言えば当たり前だなと納得し、その日はそのまま寝た。

まあ結果的に折れてるんですけれども。

このとき人生初骨折で、骨折のことってよくわかっていなかったのもあるのだけど、折った部位(舟状骨という骨)がたぶん骨折の痛みとして鈍めだったんだと思う。挙句、正月明けくらいには少しずつ腫れと痛みは引きはじめたのだ。引いてはいったのだけども痛みゼロにはならないまま1ヶ月ほど経っていたので、さすがにいったん診てもらうかと近所の総合病院で診てもらったところ、

「残念だけどこりゃ折れてるね」

残念すぎるお知らせ!

あまりにもあっさりと、むしろ無慈悲に骨折であることが告げられた。今日のお題は告白しますだけど、シチュエーション的には告られる側だ。

舟状骨というのは手首のあたりの骨で、アスリートがよく折るらしい。そうかそうか、僕もアスリートの仲間入りかと思いそうになるが、アスリートがスポーツ等を頑張って自分をかばい手をついて結果的にしてしまった骨折と上機嫌で宙に舞った酔っ払いが同等なわけがない。すぐさま反省した。

この際骨折は仕方ないと諦めもついていたのだが、問題は治療法にあった。通常であればギプスをはめて固定してという程度で済むらしかったのだけど、なにしろ1ヶ月放置してたので、このまま固定してしまうと骨が変なくっつき方をしてしまうらしい。残された道は手術しかないというのだ。

手術…!というだけでもひるむが、間の悪いことに透析のシャントがある方の手首を折っているので局所麻酔で手術は無理らしい。全身麻酔での手術となるとのこと。

想像以上に大事になっている。自分の迂闊さには自覚があったが、人生最大に迂闊さによる波及効果を味わった。

迎えた手術当日、久々の全身麻酔というのと、真偽は定かではないが酒をよく飲むひとは麻酔が効きにくく手術途中で目覚めたりするなどと噂されていたことを思い出しかなり緊張していた。

そんな心配はまったく杞憂におわり、麻酔が投与されたかと思った次の瞬間には病室であった。

いつも思うけれども麻酔はすごい。すごいけど原理の全てを解明できていないらしい。それ使うんかである。でも全身麻酔なしでの手術とか怖過ぎるので麻酔のブラックボックスについては考えないことにする。

 

術後、生活に支障をきたす部分もあったけれども、骨が変なくっつき方をすることを考えれば一時の不便さなど問題にならない。

ということはなく、きっちり困った。

 

以上で告白タイム終了となりますので。

みなさまにおかれましては上質な酒飲みとして品格をたもち、やらかし案件発生なきよう楽しく飲まれますことを祈念いたします。

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このあとすぐ落ちます