普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

エモみ濃いめ、固め

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エモい。

これをエモと言わずして何をエモと言うのか。

不躾にエモみをたたきつけて申し訳ない。

僕が好きでよく見ているデイリーポータルZというサイトの後援会みたいなものがあり、そこで【エモいと思う写真見せてくれませんか】という投稿コーナーが行われていた。

よっしゃ一発かましたるかと腕まくりしてこぶしをぶるんぶるん振り回しながら投稿しようとしたところ、投稿期限を過ぎていたのだ。

振り上げたこぶしをただでおろせずにここに掲載した次第だ。学校で盛り上がっている話題にうまく入り込めなかった後、家に帰って入れなかったその話題について母に熱く語るような状況に近いかもしれない。写真どうこうよりこの状況の方がエモい。

しかしこの写真、個人的にはとても気に入っているのだけど、いいちこのポスターのようでもある。いいちこのほうがもっとえもいわれぬエモさがあるけれども。あ、はからずもダジャレ…恥ず…!!

もうずいぶん前の秩父夜祭に行った際に古民家を解放して中で飲食できるようにしてくれていたことがあって、そのときの写真だ。

秩父夜祭は12月に行われ、とにかく寒いのであったかいというだけの理由でワンカップの熱燗をぐびぐび飲んでいた。茶を飲め、茶をと今なら思えるが、なにぶん無軌道なころの話なのでこうしていたのも理解はできる。

 

いいちこ写真もエモみは強いが、自分の手持ちの写真でいうとこれには敵わない。

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エモーショナルサンダー!

飲んで帰ったらトイレの電気を消し忘れていたらしく、漏れ出る灯がちょうど靴にピンスポットライトのようにあたっていたのだ。

あまりにもエモ過ぎて自演なんじゃないのかと思われるくらいに良くできたシチュエーションだ。

そして真っ先に日本ハードコア界レジェンド、envyの「君の靴と未来」というアルバム名を思い出した。ジャケ写にして欲しいくらいだ。

envyといえばエモいハードコアの筆頭であり、国内でも相当早い時期からエモさが爆発していたバンドだ。

今でこそエモいは悲しいときなど、感情の表現として使われているが、それより先にバンド界隈でこの言葉はずいぶんと流行っていたのだ。

2000年代中盤くらいが最盛期だっただろうか。screamとemoを足してscreamoなんて言葉、ジャンルが生まれてどこもかしこも泣きそうな声でシャウトするバンドであふれていた。そういうのが「エモい」だった。

当時のエモいは叙情的な音楽を見聞きしたときに「エモいなー、このバンド」的な使われ方をしていたのだ。派生的に現在のような使い方もされてはいたけど、あくまでもバンドマン界隈だけだったように思う。

一点だけ主張をさせてもらうとメタルでもよく叙情的と形容されるバンドはいるのだけど、あれだって充分エモいじゃないか。なぜみんなメタル聞いてくれなかったんだ。メタルは健康に良いという情報まででているのに。薬用養命酒くらいの効果はあるはずだ。

 

なんだかエモい写真の話からただの思い出話、ひいてはメタル礼賛という聞くひとが疲れる話題になってしまった。

それにしてもいまだに00年代のエモ、スクリーモ系のサウンドって好きなのだけど、このまま歳を重ねていったら今どきムード歌謡好きなおじさんたちと扱いとしてはかわらないのかもしれない。

もっとムード歌謡に対して心を開いていこう。