普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

野菜転生

生まれ変わるのであれば大根よりはじゃがいもだ、断然。僕がじゃがいも好きというのはもちろんある。あるのだけれど、汎用性の高さということにおいては大根はとてもではないがじゃがいもには敵わない。

そんなじゃがいもにも弱点はある。生食ができない。必ず調理という過程を経ないと愛される存在とはなれないのだ。

その点でいうと大根は強みがある。なんといってもその気になれば土から引っこ抜いた瞬間食べられる。土とか付いてるのさえ気にしなければ。その気になる日は僕にはこないだろうけど。しかし、調理方法でいうとどうだろう。煮るという方法がベストであり、揚げ、焼きにはあまり向いているとは言えない。

これはひとに例えていうのならば、狭い範囲の友人たちと絡んでばかりいるタイプと考えられる。範囲は狭いけど、関係性はものすごく深い。言ってしまえば陰キャだ。大根は陰キャ

それに比べるとじゃがいもは生食こそ出来ないものの、あらゆる調理方法を受け入れる。やはりひとに例えると誰とでもうまくやれるうえにそれなりに愛されるタイプだ。陽キャかのように思える。

しかし、一筋縄ではいかない。生食が出来ないというのはネイキッドな自分を出せていないということだ。ワンクッションおいて周りとの付き合いがある。下準備が必要なのだ。それを考えるとじゃがいもは高校デビュー、大学デビューといった後ろ暗い過去をもつ陽キャとしてふるまう陰キャなのだ。めんどくせえ。

でもそれがよいではないか。ある意味カタルシスではないか。僕はやはりそういうタイプの人間が好きだ。や、じゃがいもの話をしているんだけど。考えてみればじゃがいもは毒をもつ場合もある。そういう地雷をもっている部分もよい。

新環境で華々しくデビューを果たして「じゃがいも」とかポップに呼ばれてるけど、元々「馬鈴薯」ですからな。田舎臭い自分を変えたい、そんな気持ちで新環境デビューのため努力を重ねたに違いない。じゃがいもはいいやつだ。友達とKing gnuとか髭男とかの話でキャッキャ盛りがっているふりをしているけど家ではメタルしか聴いてない、そんなやつだ。メタルを聴くひとは良いひとという部分については何も考えずに受け入れてほしい。

それにしても、ここまで考えたところでふと思うのが葉野菜の存在だ。結構いろいろなところ(調理方法)に顔を出す。そして何食わぬ顔でその場に馴染む。彼らこそ真の陽キャ。言ってしまえばチャラ男だ。トマトもこの枠だな。

やはり生まれ変わるならじゃがいもだ。そして友達になるのもじゃがいもみたいなひとがよい。ちょっと何言ってるかわかんないってひとは改めて日々の己の食生活を振り返ってみてほしい。推しの野菜がいて、その野菜のキャラ性に注目してみてほしい。余計何言ってるかわかんないなって思ったひと、正解です。

 

それにしてもじゃがいもっていいやつそうだけど顔面力低そうだよね。それはどうにもなんねえ。