普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

キメラと神様

えげつないくらいに猫背である。ただでさえ小さい身体がさらに小さく見えるほどの猫背だ。猫背過ぎて猫以上に猫背、もはや猫ですらないのでは?とすら思っている。

では何背になるのかを考えてみる。海老か。いや、そういう感じじゃないのだよなといまいちしっくりこない。そう、もっと丸みをおびている何か…アールが効いているのだ。そうか、アールヌーボーか。アールヌーボー背。語呂が悪い。しかし僕の背中に伝統の建築様式が刻まれていると考えればまた格式高くて気分はよい。姿勢をしゃっきりしろという話ではあるのだけど。

同時にアールデコも頭に浮かんだが調べてみたら曲線とかそういうのとはあまり関係ないようなので不採用。でもアールデコ背、語呂がよいのでどうにかこじつけていきたいところだ。

 

また、僕は鳩胸気味でもある。露骨なまでの鳩胸ということではないのだけど、背筋を伸ばすと胸骨が突出する。これが前述の猫背…いや、アールヌーボー背と相性がよくない。背筋を伸ばせば鳩胸が目立ち、鳩胸に見えないようにすると背筋は曲がる。あちらをたてればこちらがたたない。おふたりともうまくやっておくれよというところではある。

しかしそこは鳩と猫(もう面倒なので猫背でよいです)、うまくやれそうもない。狩る側と狩られる側だ。僕が間に入って仲裁するしかない。というか鉢合わせしないように気を回す必要があるということだ。それにしても体内に鳩と猫背とおっさんが同時に存在し、混在しているわけだ。これはもしかしてキメラなのでは?と思い始めた。猫と鳩のキメラだとファンタジー性を感じるが、そこにおっさんが混じると悲壮感が増す。悲しい存在となる。

世界に神様がいるのだとしたら、こんな悲しみに満ち溢れたキメラを創り出すということができるという意味で非情である。もしくはめちゃくちゃ前衛的なアーティスト魂を持ち合わせているのか。後者であるとするのなら、たぶん色々創り出しすぎてしまってもう何が良いのかわからなくなってしまっているんだろうな。神様、迷走しているわけだ。メジャー3rdアルバムくらいで賛否のわかれる作品で話題になるバンドとかいるけどそういう感じだろうか。ファン(人類)の反応を拾い上げて次回作に活かしていただきたい。

そんな問題作であるメジャー3rdアルバム(僕)でもやはり好きなひとは好き、ということがある。僕はそれを心の拠り所にしていくしかない。というかまあ妻がそれにあたるわけなのだけど。神様もそこを見越してリリースに踏み切ったのだろうか。なかなかの博打打ちだ。

 

さて、問題作を発表し、攻める姿勢を見せた神様。

神様の次回作にご期待ください!