普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

ネンイチ

昨日は12月3日。毎年恒例の秩父夜祭の日だった。この祭、曜日に関わらず必ず12月2日、3日に行われるというのが好きだ。本来の祭りの意味を遂行しているようで。本当のところがどうなのかというのはよく知りはしないのだけど。

なんだかんだともう10年以上連続で通っている。以前は友人と連れ立ってわいわいと祭をまわっていたけど、最近はもっぱら妻と二人だ。みんな大人になってなかなか時間も合わなくなってきてしまったのは少し寂しい。

日本三大曳山祭とされているらしく、山車が何台も出て大盛り上がりなお祭りなのだけど、10年以上通っているわりにはたぶん全部は見たことがない。

ではなにを見ているのかといえば、真冬の夜空にあがる花火と数多くのテキ屋を見に行っていると言っても過言ではない。

まず花火。冬の夜空は空気が(たぶん)澄んでいるのでとても綺麗に見えるのが好きだ。あと、あがる花火の規模としても真夏の花火大会にひけをとらないのではないかと思う。あとはなんといっても人手が多くても真冬なので暑さと湿気に不快感をもたなくて済むのは大きい。その代わり極寒だけど。

それでも今年はまだマシなほうだったように感じる。

そしてもうひとつ、テキ屋のバラエティだ。

数が多いのだから当然種類も多い。他では見たことがないようなテキ屋もたまにいる。あとはその年ごとのムーブメントとでもいうのか、いわゆる人気にのっかったテキ屋が毎年現れるというのも味わい深い。

今年はタピオカミルクティ屋が散見された。たしか去年はアナ雪、その前は妖怪ウォッチだったような。

しかしアナ雪とか妖怪ウォッチとか見なくなったのだけど、そのひとたちはどうしてるんだろうか。妖怪ウォッチがアナ雪になって、アナ雪がタピオカになっているんだろうか。だとしたら店の構えとか毎年変えなければいけないし費用がかさみそうだ。

そしてなかにはこんな店もある。

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完全にアンオフィシャルのにおいしかしない。でもこれがよいのだ。こういった味わいを噛みしめるのも秩父夜祭の楽しみ方のひとつだといえる。

まあそもそも妖怪ウォッチにしろアナ雪にしろ許可とっているのかどうかは不明だけれど。

こんなテキ屋巡りを楽しみ、一通りぶらついたところで参道脇の蕎麦屋に入った。

古民家とまではいかないけれど、立派なお宅兼店舗といった雰囲気で普段だったらまず入らない店構えだったのだけど、祭の空気に任せて入店。

中には地元のひとであろう祭の衣装を身にまとった方々が店員さんと祭りの話をしていた。町ごとの山車事情を話していて、本当にお祭り好きなのだなと感じたのでなんとなく祭りにきていてテキ屋巡りが楽しみですとかとても言える空気ではない。

何度も祭りにはきているけど、初めて来ましたみたいな顔で店員さんの話を聞いて、黙って蕎麦をたいらげ店を後にした。ちなみに蕎麦はほんとにおいしかったです。

日が暮れ、花火もあがりはじめ、おー、やはり見事なもんですなー。などと花火を眺めているうちに、妻とどこでなら花火を綺麗に見ることが出来るだろうという話になり、駅のホームなのではないかという結論に至った。

すわ、駅のホームへということでホーム上で花火を眺めていると当然だけど電車がくる。電車は都心行きの電車だ。花火を、車内から眺めたら寒くないし楽だよねとなり、車内から花火を眺めていたらなんだか面倒だからこのままこの電車で帰ってちゃえばいいんじゃない的な空気になり、疲れもあったし電車も空いていたのでついそのまま帰ってしまった。

自分たちの夜祭史上、最速の帰宅時間だった。

電車に乗ったと同時に友達が仕事終わりに夜祭に訪れた旨の連絡があったのだけど、それも泣く泣く見送った。

今年の夜祭といえばこんな感じだったけど、以前は夜祭巡りついでに秩父の札所巡りなんかもやっていて、昼のうちに札所の奥の院にいこうとしたらいつの間にか山の尾根みたいなところを歩いていて本気で焦ったことがあったな。あのときは下山し、地面が平らなのってこんなに素晴らしいことがと感動したものだ。

他にもロッククライミングさながらの奥の院とか。あれはもう怖くて行けなかった。

今思えばよい思い出だ。

 

そろそろなにか新しい夜祭の楽しみ方を発掘していく頃合いなのかもしれない。

 

最後に全然関係ないけど地方にいくとよくある看板写真を。

これ、最後に名前いれてあるあたり、みつをって感じしませんか。

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