普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

向き不向きでしかない

会社員生活と一言にいっても色々なケースがあるのだろうと思う。

今の上司は気のよいひとで、相談もしやすい。そして決断をするところはきちんとするひとだと思っている。

その上司のもとで働くことで日々そこそこ楽しく仕事が出来ている部分はあるだろう。

もちろん、業務内容が自分向きということもある。同じシマのひとたちとの雰囲気も良好だ。

 

しかし、入社してからしばらくはまったくそんなことがなかった。しかし、今まで会社員生活というものをしたことがなかったものだから、「そういうもの」と受け入れることしかできなかったわけだ。

 

入社直後から去年までの上司はいわばサラリーマンの鑑のようなひとだ。仕事は確かにできる。そういった部分では尊敬もできる。

ただ、人間的な部分では本当に合わないひとであった。

まず、冗談がまったく通じない。会話のなかで少しこちらがおどけたことを言うと真顔でマジレスしてくるのだ。

今までの人生半笑いで生きてきたような僕とキャラが少しも噛み合わない。そういった部分は真面目なひとということで片付けるしかなかったけれど、絡みにくかったなあという思い出だ。

そして、なんだか圧がすごいのだ。結構短気なひとだと思うのだけど、サラリーマンの鑑なので社内コンプライアンスを遵守する。パワハラ発言はご法度だ。そういった発言は意地でも押さえ込む。しかし、それがにじみ出ているのである。結果、なんだか圧のある雰囲気、語り口になっていたのだろう。

軟体動物のように生きている僕は圧に耐えられるわけがない。

そして、朝は始業の30分前には出社し仕事の準備をし、適宜残業をしたまえとよく言われていた。

当時、というか今もなのだけど、始業の30分も前に出社してまでする準備はない。そしてその時間は当然のように無給だ。いまだに理解ができない。結局早出も残業もしていないのだけど。

しかも、社内ルールが変わって、業務時間以外で30分を越える作業がある場合有給業務時間として扱わないといけないというルールができた。なのでいまの社内ルールではその上司の言いつけを守るのはアウトなわけだ。

しかしそこはサラリーマンの鑑。ルールが変わると鮮やかに意見を変えてくる。今までもそう思っていたかのように注意をする。なんならちょっと怒ってたりする。

もう全然意味がわからない。

 

そんな上司との時間も終わりを迎え、今の会社員生活にシフトしていくのだけど、ここでまた発見をしてしまった。

エレベーターホールなどで元上司と会うことがたまにあるのだけど、当然僕は挨拶をする。けれど、その元上司、無視するのである。

かーっ!こりゃまいったなー。である。

いくらなんでもそりゃないだろうと。別に使えないやつとか気に入らないやつとか思われてても全然よいのだけど、部下じゃなくなった途端に挨拶すら無視かと。

特に自分の査定に響かないとわかれば関わりまで絶ちますかと。

あんたやっぱサラリーマンの鑑だよと思わざるを得ない出来事であった。

 

上司ガチャという言葉があるけれど、それで言ったらどうかと考えた。

尊敬はできるし、恩義も感じているけれど、総合点でいったらマイナスだ。

やっぱはずれ…なのかな。

 

ともあれ、今の環境で自分らしく仕事をできる環境の下地を作ってくれたのはきっと間違いないのだろうな。

そういった部分ではやはり感謝しておこう。