普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

ひっそりと期待

人工透析をうけて、この4月で4年。

さすがに生活の一部として完全に組み込まれ、予定をたてるにしてもまず透析ベースで考えるようになった。

ただ、いまだに透析中の有意義な過ごし方というのを見いだせてない気がする。

他の透析患者の方々ってどんな過ごし方をしてるんだろう。

同じクリニックに通っている人はテレビを見るか、寝てるかの二択であるように感じる。

 

なにせ四時間という時間がかかるわけで、四時間、週三回といったら学生のちょっとしたアルバイトくらいには時間を割くことになる。

自分的にもなんとか有意義に過ごそうと思い、ノートパソコンを買って持ち込んでみたりしたこともある。Wi-Fiがあるという話だったので。

ただ、そのWi-Fiがあまりに不安定なのか、自分のパソコンと相性がよくないのかはわからないけど、ネットできる環境ではなく、すぐに持ち込まなくなった。

というかそもそもベッド周りに電源がないというのは盲点だった。

そういうところは入院とは違うものなのだなと。

 

またあるときはせっかくだから教養を身に付けるため読書の時間にしようと思い、試してみたこともある。

そしてまたあるときはポータブルゲーム機を持ち込んだり。

結果としてそのどちらも毎度の透析の時間を埋めることはできていない。

 

なんとなく考える理由として、針を挿した腕が曲げられないので、同じ体勢で座っていなければならないというのがありそうな気がする。

ゴロゴロ出来るような状況であればゲームを四時間なんていくらでも出来そうな気がするので。

 

で、結局どうなるかというと、同じ体勢でいるのに疲れて横になる。

横になって出来ることというと、スマホをいじるか音楽を聞くかという選択肢になり、そのどちらかをしているといつの間にか寝ている。そした透析終了まで爆睡。

こんな流れになってしまう。

これは良くない。建設的ではない。

と、4年くらい思い続けているわけだ。

そろそろ新しい風を吹き込ませなければだらだらと過ごしてしまうなあとなんとなくの焦りというか後ろめたさというか、そんなものを感じている。

 

こういうとき在宅透析というのに少しの憧れを感じるけど、ずぼらが服を着て歩いているような自分に色々な管理ができるわけないし、そもそもあんな太い針(つまようじくらいある)を自分で自分の腕に挿すなんてこと、考えるだけでおそろしい。

やっぱりダメだ。やるべきではない。

 

現状、一番のベストは医療のめざましい進歩を期待する、という他人にぶんなげたところに落ち着いていくのだった。

クローン的な技術で本人の腎臓を作り直すとかならみっつあるうちの腎臓のうちふたつ摘出とかでもかまわない。

全然意味ないだろうけど。

世界中の天才のみなさん、頑張って下さい。