普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

宴席

行きつけの飲み屋がある。

かれこれ5年は通っているだろうと思う。もしかしたらもっとかも。

 

行きつけとかそういったものに憧れながらも、顔を覚えられ、店員さんに話しかけられるようになると持ち前の人見知りというか変に愛想よくいようという気持ちが前面に出て、なんだか気まずくなってその店に行かなくなってしまう20代であった。

そもそもひとりで飲みに行くということすらなかったし、出来なかった。

 

そんな自分が30代になり、行きつけの飲み屋が出来たというのは喜ばしい。

店主や客層によるものなのだろうと思う。

単純に居心地の良さなんだろうな。

 

その店では色々な人たちに出会い、楽しく酒を酌み交わした。

ちいさなお店なので客同士の距離が近く、飲んでいる間はとても親密な雰囲気がある。

けど、いわゆる飲み友達とも違い、その店で会って話すという人がほとんど。

ある意味無責任でいられるのも居心地の良さに通じているのかもしれない。

 

そんなお店に昨日も行った。

昨日はなかなか賑わっていて、そして知っている顔ぶればかりで豊かな時間を過ごせたと思う。

そんな楽しい日はついつい深酒をしてしまい、つぎの日にひびくということをやらかしがちなのだけど、なんとか自分を律することができ、無難に今日を終えようとしている。

 

これが成長なのかただ弱気になってきているのかはわからないけど、たぶんきちんとした人は本来もっと早い時期にこういった思考になるのだろうなと感じる。

 

昔、アルコール依存症診断みたいなものをネットで試しにやってみたときに、設問のなかで

「飲酒が原因で翌日仕事に遅刻したことがある」

といった設問があった。

そんなもの酒を飲む人間であれば誰でもあるものではないのか、と思ったけど、どうやらみんなもっとちゃんとしているのだなとこの歳になって気づいたのだった。

 

行きつけの飲み屋は深酒で遅刻などものともしないタイプの人ばかりなので、やっぱり居心地がよい。

明日はどうやら雪が降るらしいのだけど、きっと明日も飲みに行くのだろうな。

 

飲酒が原因で骨折経験のある身としては帰り道は真剣に気を付けなければ。