普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

リスケの鬼、雨氏

雨が嫌すぎる。雨が降っているか晴れているかで同じ場所にいてもまるで違う行動と結末に至るのである。

今日の予定はこうであった。

教習所の学科のコマで週末に通うだけでは直近でおさえられない授業があったので、休暇を取り通うこととしよう。午前中、ゆったりめの時間に教習所へ到着し、必要な授業を受け、現地ですこし名のある中華屋の油そばを食べ、その後一度家に戻り少しゲームでもして透析までの時間を過ごすか、と。

だが現実はこうであった。

朝起きたらわりと嫌な量の降雨を確認。さっそく気が滅入る。それでも教習所のためにわざわざ休みをとったのだから準備をしなければとシャワーを浴びることに。身支度を整え、まだ出発には早いな、雨…嫌だな…と思いつつソファに横になった。起きてからここまで雨の中外に出たくないメーターがぐいぐいとあがりにあがりまくり、水銀計なら破裂しているところだった。そんななか横になってしまったのが運の尽き。いつの間にか眠ってしまっており、気づいたら現地への到着予定時刻であった。

あ、これもうあかんやつだ。

即座に諦めの境地にたどり着き、秒速でふて寝した。雨のせいで1日の行動ルートが分岐した結果がこれである。

ふて寝から目覚めればお昼時。どんだけ眠るのだというくらいに眠り倒したところで昼食どうするか問題に直面する。ここでも雨の中外に出たくないメーターが登場。瞬時にメーターは振り切り、振り切った先では「ウーバーイーツ一択」の文字が煌々と輝いた。

こんな雨の中申し訳ないなと思いつつも、まあ向こうも仕事ですし…と自分に言い聞かせて後ろめたさを払拭しきれないままオーダー。申し訳なさからオーダー時に普段よりちょっと多めにチップを乗せておいた。こいうところに小心者と器の小ささって出るものだなとぼんやり考えていたところに届いたのがこちら。

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とんこつ背脂すた丼、我が家に着丼。

ただでさえがっつり系であるすた丼にこってりの要素であるとんこつが加わるというカルピスをピルクルで割ったかのような一品である。

今日1日、ずっと生活の空気が寒色であったのに、すた丼を食べるときだけはほのかな暖色を取り戻したような気がする。すた丼はひとを元気づける食べ物なんだよ。四十路の消化器には過重労働をさせてしまいがちな食べ物ではあるが。

すた丼自体は好きなのでそれはそれで良いのだけど、今日のハイライトがすた丼ということになるとそれは少し寂しさを感じる。それもこれも雨が降っているせいなのだ。

雨さえ降っていなければ今頃目的を達成した満足感と新しいお店との出会いの余韻にひたっていたころだろう。食べる予定だった油そばの写真とかあげてると思うし。

いやでもね、なんの用事もなければ家の中から雨を眺めるのも嫌いではなかったりするわけなんですよ。要は間の話でして。

雨氏にはそのあたりの機微というのを察知していただいて今後を降雨活動に勤しんでもらいたい所存です。まずは梅雨の改善あたりから。

では次回、穏やかな雨の日の再会を。