普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

うっかり死の可能性

事故のニュースなどで、いくらなんでもそれはないだろうというものがたまにある。

例えば増水した川の様子を見に行って足を滑らせて濁流に飲まれるとかああいった類のものだ。

降りしきる雨の中外に出るということ自体、なんで?となるのに、そのうえどう考えても危ないのがわかっている増水している川にみずから近づくという行為、ちょっと理解できないだろう。

だが僕にはわかる。その気持ちが。

こんだけ雨降っちゃってるって川、どんなんなっちゃってるの?と気になって仕方がないのだ。

実際に見に行ったことはないけれど、たまたま増水した川を直接見るようなタイミングがあるとあきらかにテンションが上がっているのを自分で感じる。それによって苦労されている方々がいるのだからそう思ってしまうのは不謹慎なのかもしれないが、これはもう性癖のようなものなのではないかと思うのだ。(念のため言っておくと災害クラスのはさすがにだめです。)

首絞めセックスでしか興奮できないひとがいるように川の増水でなにかよくわからない興奮を得るという人種が一定数いるのである。僕を含め。

そして阿部定が首絞めセックスでうっかり(でもないんだけど)相手を殺してしまったように、興奮を得るために川の様子を見に行ってうっかり命を落としてしまうということもあるということなのだ。

そんなうっかり死をしそうなことで定評のある僕だが、今日新たなうっかり死シチュエーションの可能性を体験してしまった。

在宅勤務のお昼ご飯としてラーメンを食べに行こうと自転車で近所のラーメン屋に向かったところ、水曜定休の張り紙が。

これはどうしたものかと少し悩んだ後、別のラーメン屋に行こうと自転車を再び走らせた。

そのラーメン屋は線路を超えた先にあるので当然踏み切りをわたる必要がある。踏み切り付近に到着したとき、踏み切りが鳴り始めた。

待つのも面倒だし踏み切りもまだ閉まる前なので、自転車ということもあって急いでわたってしまおうと立ちこぎして颯爽と踏み切りをわたろうとしたその瞬間、お尻ポケットに入れていた財布が落ちた。踏み切りの内側に。

挙句、ふだんは落ちるだけなのに小銭がこぼれたのだ。踏み切りの内側にね。

はい!ここです!

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小銭をひろっている間に列車に轢かれて命を落とすという最悪の可能性がうまれてしまったんですな。確実にヤフーニュース案件だ。

幸いなことに今回は踏み切り内側とはいえわりと安全圏であったこと、あまり小銭が飛び散らなかったので遮断機がしまり切るギリギリで小銭を拾い集めることができたのでことなきを得たのだけど、あれは可能性としてあり得たなと肝が冷えた。

と、同時に「ああ、いつかやりそう」と自分のうっかり死のバリエーションが増えたことを感じたのであった。

増水した川に関してはきちんとうっかり死しそうな自覚があったので気をつけていたが、今後は踏み切りと財布の組み合わせにも注意していこうと思う。あとはお餅だな。

ちなみに大雨の日に田んぼの様子を見に行って用水路に落ちてしまうというのも一見すると川の様子をを見にいくのと似ているように思えるが、あれは本当に田んぼの様子が心配で見に行っているのだなとこのあいだプレイした天穂のサクナヒメで理解した。よって、うっかり死ではない。切実なる選択の結果起きた事故だ。

 

そんな死の可能性をはらんでいた本日の昼食。当然ラーメンを食べたとお思いだろうが、ラーメン屋向かいの馬肉料理専門店で馬肉丼を食べた。

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決め打ちしていたかのようにしていてあっという間に気が変わる。これをやると妻に怒られるのでうっかり死とかそんなこと言ってないで目下食事チョイスに関しては初志貫徹を目指していきたい。