普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

玉手箱の存在意義

浦島太郎といえば物語の最後に玉手箱を開けて老人となってしまうという話ではあるが、あの玉手箱、なんなんだろうなと思ったことはないだろうか。

僕の知る限りの浦島太郎の話では竜宮城から戻った時点の浦島太郎には特に落ち度もなく、不意打ちで老人にさせられるいわれなどないのではないかと思うのだ。

玉手箱は浦島太郎が竜宮城から帰る際に乙姫から「あけちゃいかんよ」と言われて渡されたものだ。そもそも開けてはいけないようなものを開けそうなやつに渡すなという話である。これはもはや謀略なのではないかと邪推してしまうほどだ。乙姫だって浦島太郎とそこそこの時間を過ごしたのだから「こいつやるやつだな」くらいには思っていたのではないかと思う。

一説によると玉手箱に収められていたのは浦島太郎の時間で、それは浦島太郎のものなので竜宮城を離れる際に返さならければならないから渡されたという話もあるという。だったらもうちょっとヒントあげてもよかったのではないのと思うのだ。「開けてはダメ」だけでは開けたらどうなるかの好奇心の方が勝つに決まっている。むしろ浦島太郎は「押すなよ、押すなよ」の類の前フリとすら思ったのかもしれない。

最初から、最終的には開ける前提とされ、乙姫の電話番号が入ってて「なんだよもー、言ってくれたらいいのにー。まわりくどいことしてかわいいやつだなー」とかの展開を期待していたのかもしれないのだ。

それがなんというバッドエンド。もしかしたら玉手箱の中には竜宮城で飲み食いした分の領収書でも入っていたんじゃないだろうか。あまりの額に驚きと恐怖で一気に老けたということなのでは。注文の多い料理店も最終的には同じような理由で登場人物が老けているし。

そもそも、浦島太郎の話自体、違法キャバクラみのある話ではないかと思うのだ。

物語の冒頭で少年にいじめられていた亀は半グレに絡まれていた「クラブ竜宮城」古参の客引き。客欲しさにテリトリー外で客引きしたものだから半グレたちに絡まれてしまったのだ。

それを仲裁した浦島太郎を御礼と称してまんまと自分の店に入店させ、呑み食いさせることとなる。乙姫ママにキャストのタイやヒラメがテーブルにつきそれはもうふしだらなひと時を過ごしただろう。

「いやー、もうここに住んじゃいたいな」と浦島太郎が調子に乗った発言をしたころにはとっくに閉店時間など過ぎている。浦島太郎も内心次の日の仕事が気になり始めてどこかで切り上げるタイミングを狙っているのだ。そしてようやく退店のタイミングを掴んだところで渡されるのが玉手箱ですよ。

たぶん浦島はお会計をカードで支払ってるだろうから、その領収書が納められているというわけだ。しかも店内で作らされた違法クレジットカードで。そのカードでは法外な利息がつくように絶対されており、時間がたてばたつほどに利息がつく。それに気づかれないよう、1秒でも長く利息をふんだくるための「開けちゃダメよ」だったのではないか。

玉手箱を開けたら一枚の領収書。もともとぼったくり気味なお会計にさらに法外な利息がつくと判明したらそりゃ浦島太郎も老ける。300年は老ける。時間の経過については飲み屋で呑んでいていい具合に酔っ払ってはしゃぎ倒してそとにでたら眩暈がするほど眩しい朝日がさしていることがあるだろう。あれのことだと思う。

浦島太郎の話の実態はぼったくり営業をしているキャバクラのお話でしたということで自分の中で玉手箱との折り合いをつけようと思う。

 

次回「密着!かぐや姫!結婚詐欺のその手口とは!」でお会いしましょう。

 

キャバクラ「竜宮城」の所在地イメージ。f:id:takian2000:20211025204110j:image